【新潟】指揮官も自画自賛! 横浜で燻っていた佐藤優平が“相思相愛”のチームで輝く理由

2015年08月29日 大中祐二

「オレが見て獲得しているんだから、フィットして当然」と柳下監督。

7月に横浜からレンタル加入した佐藤。加入直後から攻撃のオプションとして存在をアピールしている。(C) SOCCER DIGEST

 2012年シーズン以来となる残留争いに直面する新潟だが、第2ステージで巻き返しを図るべく、この夏は、前線、中盤、ディフェンスラインそれぞれに補強を行なった。そのなかで、DFイム・ユファン、FWラファエル・ハットンのコンディションがなかなか上がらないのとは対照的に、驚くべきスピードでチームにフィットしたのが、横浜から期限付き移籍で加入したMFの佐藤優平である。
 
 7月21日に加入した佐藤は、4日後の第2ステージ・4節の山形とのアウェー戦で早くもメンバー入り。翌節のG大阪戦から3試合連続でサイドハーフとして途中出場した。プロ3年目の今季、横浜で出番が激減していたのが嘘のように躍動する佐藤のプレーには、苦境に立つチームの『なにか』を変えてくれそうな期待感にあふれている。
 
 いったいどんな理由で、夏場まではほぼベンチで燻っていた佐藤と新潟との"相思相愛"に結びつくのか。読み解くカギは、エネルギッシュなプレーで局面を活性化させる、このMFの心技体に注目する必要がありそうだ。
 
 まずは、フィジカル面でのマッチングについて。素早い切り替えの連続、マーキングの強調が特徴の新潟で求められるのは、とにもかくにも運動量だ。
 
 真夏の酷暑のなかでも、新潟のスタイルに適応できるはず――。最初からそう信じて疑わなかったのが、国士舘大の後輩でもある平松だ。
「優平さんは新潟のサッカーにすごく合っている。大学時代、"こんなに巧くて走れる選手がいるんだ"と驚いたのが、優平さんでしたから」
 
 巧いだけ、走れるだけの選手はいくらでもいる。どちらも兼ね備える選手を目指した研鑚が、今ここにつながっている。
 
 心技体の"技"の面で、新潟のスタイルに好相性であることも、加入直後から明らかだった。狭いエリアでも難なくボールを受けてははたき、また動く。足を止めずに連続してプレーすることは、まさに柳下監督の追求するサッカーの核の部分だ。
 
「オレが見て(判断して)獲得しているんだから、すぐフィットするのは当然だよ」と、したり顔の柳下監督は、背後のスペースに飛び出すフリーランをさらに求める。

次ページ発言の端々からサッカー脳の鋭さが窺える。

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