【日本代表/会見要旨・質疑応答編】PKゼロは「ノーマルではない」

2015年08月27日 サッカーダイジェスト編集部

「2回目の言い訳をしないように、我々は勝たなくてはいけない」

2次予選の2連戦に臨むハリルホジッチ監督。カンボジア戦に向けては、相手の5人のDFに対応すべく練習からシミュレーションする予定だと語った。(サッカーダイジェスト写真部)

 8月27日、ワールドカップ2次予選のカンボジア戦(9月3日)、アフガニスタン戦(9月8日)に臨む日本代表メンバー23人が発表された。ここでは、会見の後半に行なわれた質疑応答の様子をレポート。終盤には、ハリルホジッチ監督自ら記者に質問を促す場面も見られた。
 
Q.アジア勢を相手に勝利がないが、今回の合宿で選手に最も植え付けたいことは?
「確かに勝てていません。私の人生で4試合勝利がないのは初めてです。私は勝つのが大好きで、だからこそ勝てていないことに満足していません。ただ、悲しんでもいません。シンガポール戦では良いクオリティを見せましたし、決定的なチャンスも多く作りました。私の人生で、(あれほど攻めながら勝てなかった試合は)恐らく初めて見られたことです。
 
 もちろん、カンボジア戦で同じ失敗はしたくありません。(試合展開は)同じようなシナリオ、やり方になると思います。カンボジアや他の国に対しての準備はありますが、今回のトレーニングは戦術面のことしかするつもりはありません。色々なことを修正して臨みたいです。
 
(会場である)埼玉のサポーターは素晴らしい。2回目の言い訳をしないように、我々は勝たなくてはいけません。そして得点を取らなければいけない。全員が満足するような試合をしなければいけません。
 
 東アジア選手権に関してはあまり満足していませんが、もし1試合目に勝っていたら恐らく1位で終わっていたと思います。そして2、3日の休息期間があれば、最初の試合には勝てていたはずです。我々よりも強くない相手でしたから。事実、韓国戦、中国戦では我々のクオリティはかなり上がりました。
 
 一方で、最後のゴール前のクオリティが不足していました。今の日本では岡崎がそのクオリティを持っていますが、彼以外に真ん中の選手がいない。彼ほどの選手はまだ見つかっていません。(攻撃的ポジションの)真ん中には、フィジカル的なクオリティに優れる選手が必要です。
 
 北朝鮮戦では、そのポジションの大きな選手に2回シュートを打たれ、2点を取られてしまった。昨日のガンバ大阪の試合でも、大きなブラジルの選手(パトリック)が相手にとって一番危険な選手になっていました。我々もそういった選手を見つけなければいけません。
 
 また、それは守備面でも同じことが言えます。先日、マレーシアで開催されたAFCの会議に出席しましたが、アジア各国は日本に対して大きな選手を最前線に置こうとしている。彼らに守備面で対抗するためにも、大きな選手を見つけなければいけません」
 
Q.カンボジア戦、アフガニスタン戦に向けた相手の分析は?
「かなり準備は進めています。カンボジアの試合も観ましたし、彼らがどうプレーするかも知っています。彼らは守備ブロックを低くし、カウンターを仕掛けてくるでしょう。彼らは5人のDFを並べるので、攻撃のトレーニングでは5人の守備を置いてシミュレーションする予定です。
 
 特に攻撃のタクティクの部分で、5人のDFをどう攻略するか。例えば中盤からのミドルシュートを増やしたり、得点を取るためにいろんなソリューションを準備しています。
 
 また、選手に学んでほしいこともあります。5か月日本にいて7試合を戦いましたが、PKを1回ももらっていません。ここは強調したい。90パーセントを支配したシンガポール戦でも、1回もペナルティエリアの中でファウルがもらえていない。これはノーマルではありません。
 
 そのような文化が日本にはないのかもしれないが、ペナルティエリア内でファウルをもらえばPKとなり、得点のチャンスが増えることを植え付けたいと思います。ずる賢くやり続けろと言うわけではありませんが、これはインテリジェンスの部分。特にペナルティエリア内でファウルを誘う。そこを学ばせたい」

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