【柏】細谷真大の成長スピードが半端ない。もはや非の打ち所がなくなってきた

2022年05月29日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「真大はストロングポイントを上手く使いこなせるようになってきた」(ネルシーニョ監督)

ポストプレーとシュートテクニックが上達した細谷。清水戦でもゴールを決めた。写真:徳原隆元

 試合を重ねるたびに柏レイソルの細谷真大が上手くなっている。しかも成長スピードが半端なく早い。

 3-1で勝利した清水戦の39分、古賀太陽のスルーパスに反応した細谷は、冷静なトラップからのスピーディなフィニッシュでネットを揺らした。相手DFに寄せられながらも奪ったゴールは実に素晴らしかった。

 思い返せば0-1で敗れた13節のG大阪でも、前半にかなり似たような形のチャンスがあった。しかし、その時はひとつ、ふたつと持ち出したところで相手GKに間合いを詰められ、シュートを防がれてしまっている。

 清水戦とG大阪戦、ふたつのシーンを見比べると、シュートを打つタイミングに明らかな改善が見られた。約2週間で修正するのだから、やはり乗っている男の勢いはモノが違う。

 細谷がなぜ急速に成長できているのか、ネルシーニョ監督が背景を明かした。

「毎試合前、終わったあとには映像を見せて、何が上手くいって、何が上手くいっていないのか、細部を改善する取り組みは、これまでもずっとやってきています。そして真大に声をかけたことは、『ゴール前ではより積極的にフィニッシュまで持っていこう』と。そうすると彼は、こちらのアドバイスをよく聞いて謙虚に受け止めてくれていますので、改善しようと意識を変えて生まれた得点だと思っています」
 
 3月にインタビューを受けてくれた際には「ポストプレーは100パーセントの確率でボールを収めるべきだと思うので、そう考えるとまだまだ。数回のボールロストでも失点につながるから責任感持って身体を張れるようにしたい」と課題を明かしてくれていた。だがそのポストプレーも、今では高確率で味方につなげられていて、指揮官もこう評している。

「真大はストロングポイントを上手く使いこなせるようになってきた。例えば身体の使い方やスピードです。加えてインテリジェンスもあり、相手の嫌なところを事前に察知して敵より先にポジションを取れています。
 
 昨年は、彼にボールが入っても相手にボールを奪われてしまうことが多かった。ただ、今シーズンは、自分のところでしっかりとボールを収めて、そこから自分より良い状態にある味方を上手く使ってから背後に飛び出し、よりゴールに近い位置でボールを触われているので、得点の機会が増えています」

 成長スピードが半端ない細谷はシュートとポストプレーが上達し、もはや非の打ちどころがなくなってきたと思う。注目は、この好パフォーマンスをどこまで維持できるか、そして相手のレベルが上がっても同じように活躍できるかだろう。まずはU-21日本代表の一員として挑むU-23アジアカップで、どんなプレーを見せるか期待したい。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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