決勝点に絡んだカズは鈴鹿が「勝つために必要な選手」。三浦監督は「我々の力を試す」5月に意気軒高

2022年05月09日 小崎仁久

カズが頭で繋いで橋本へ

8日の天皇杯出場をかけたヴィアティン三重戦はPK戦の末に勝利した鈴鹿。一番手のカズは見事に成功させた。写真:徳原隆元

 JFLの鈴鹿ポイントゲッターズは現在、リーグ戦で6試合を消化して、3勝1分2敗の勝点10で6位につけている。直近の第7節では、ホームである四日市市中央陸上競技場にFCティアモ枚方を迎え、3-2の勝利を収めた。

 枚方戦は、朝から降り続ける雨により、ピッチには水が浮き、ボールの転がりが予測できないコンディションだった。「エレガントにボールと人が動く魅力的なサッカー」(三浦泰年監督)を体現したい鈴鹿にとっては、難しいゲームとなった。

 開始直後の3分。鈴鹿は、枚方のコーナーキックをクリアしたものの、セカンドボールをゴール前に放り込まれ、枚方の生駒稀生に鮮やかなボレーシュートを決められる。30分には、同じく枚方のコーナーキックから、こぼれ球を大垣勇樹に押し込まれた。

 ピッチの状態を見て、割り切ったサッカーに徹し、セットプレー、ロングボールで攻撃を仕掛ける枚方に対し、思うようにゲームを組み立てられない鈴鹿は、0ー2と守勢に立たされた。

 しかし、三浦監督と枚方の小川佳純監督がともに「(試合展開の中で)非常に大きかった」と振り返る点が鈴鹿に入る。41分、菊島卓がロングスローを相手ゴールのニアサイドへ放つ。ボールはバウンドして橋本晃司のところへ。橋本はゴールに背を向けたまま、ヘディングで背後へシュート。ボールはゴールへと吸い込まれた。
 
 勢いをつけて後半に入った鈴鹿は、三浦知良をトップから一列下げた。足の速い選手を前線で走らせて、枚方守備陣に圧力をかけていく。すると、試合の主導権は「相手のエネルギーに受け身になった」(小川監督)という枚方から鈴鹿へと、次第に移っていった。

  56分、その鈴鹿の快足2トップ、三宅海斗と栗田マークアジェイで、自陣からロングカウンター。三宅がゴールを決めて、2ー2の同点とした。さらに78分には、枚方のフリーキックを自陣ではね返すと、カズが頭で繋いで橋本へ。橋本が走り始めていた三宅にパスを通し、三宅が決勝ゴールを決めた。
 

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