「メディアは自分の利益ばかり追求すると…」逝去したライオラ氏の“素顔”を伊クラブ幹部たちが明かす「病気の際、自腹で米国に連れて行くと言ってくれた」

2022年05月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「キツい人だったが、誠実だった」

イブラヒモビッチ(左)などの大型移籍を手掛けたライオラ氏(右)。(C)Getty Images

 数多くの取引で携わってきたディレクターたちも、亡くなった大物代理人を追悼している。

 4月30日にミーノ・ライオラ氏の死去が発表されたのを受け、かつてミランで数々のビッグネームの移籍を交渉したアドリアーノ・ガッリアーニ氏が敏腕エージェントとの思い出を語った。

 現在セリエBのモンツァでセリエA昇格を目指しているガッリアーニは、イタリア紙『Corriere della Sera』で、「クリスマスの前に会いに来てくれた。元気だった。残念ながら、それから話せなかった」と話している。

「スマホで訃報を知り、1秒後に(パリ・サンジェルマンの)レオナルドから電話があった。彼との思い出を分かち合いながら、長く話したよ。レオも驚いていた」
 
 ガッリアーニは「尊敬していた大好きな人を失った。キツい人だったが、誠実だった。常に約束を守ったし、頭の回転が早い人だった」と続けている。

「メディアはいつも彼を自分の利益ばかり追求しようとする代理人のように評していたが、いつも彼は選手たちにとっての最善を得ようと動いていた」
 
 忘れられない取引を問われると、ズラタン・イブラヒモビッチとジャンルイジ・ドンナルンマの名前を挙げた。

「2010年にイブラをミラノに連れてきたのは傑作だった。だが、ミランにはミーノのおかげでロビーニョやファン・ボンメルのような選手も来たんだよ」

 一方、イタリアの多くのクラブでディレクターを務めた現サレルニターナのワルテル・サバティーニは、サレルニターナの公式フェイスブックで「君が生きていたら決して言わせてくれなかっただろうし、いつもみたいに騒動にしていただろうね」と、あるエピソードを明かしている。

「だが、私が深刻な病気を患った際、君が妻に連絡し、自腹で私をアメリカに連れていくと申し出てくれたことは忘れられない。義務でもないのにひっそりと…とてつもない寛大さ。ミーノ、ありがとう」

 サッカー界の多くの関係者が、ライオラ氏の死を悼んでいる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【画像】ライオラ氏と契約していた主な選手。イブラやポグバとの2ショットも
 

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