「ELのキングは実に厄介だった」英国人記者が明かす鎌田大地の“衝撃”!「彼は不満を抱えているように見えたが…」【現地発】  

2022年05月01日 スティーブ・マッケンジー

相手が捕まえづらいポジションでプレーし、よく動く

決勝点を挙げ、ウェストハム撃破の原動力となった鎌田。(C)Getty Images

 1976年4月、ウェストハムは欧州カップウイナーズ・カップの第2戦でフランクフルトを3-1で下し、2試合合計4―3で決勝進出を決めた。これは(前ホームスタジアムである)アップトンパークの歴史の中で、最高の勝利と語り継がれてきた。残念ながらファイナルでは、アンデルレヒトに敗れてしまったが。

 ウェストハムは4月28日、ヨーロッパリーグ(EL)の準決勝第2レグで、再びフランクフルトと対戦した。私が楽しみに、いや警戒していた選手のひとりが、日本の鎌田大地だった。フランクフルトの攻撃のキーマンとして、ここ英国でも名前が挙がっていたからだ。

 実際に見た最初の印象は、とにかく落ち着いてボールを扱える選手だということだ。リバプールの南野拓実に少し似ていて、いわゆる「ラグジュアリープレーヤー」だと感じた。攻撃で違いを作り出すプレーヤーだ。

 実際、彼は2-1となる決勝点を決めて、違いを作った。こぼれ球を押し込んだだけに見えるかもしれないが、あの位置にいたというのも攻撃センスの表われだ。

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 ただ、気になった点もあった。ある時間帯、彼が12回もボールを要求したのに、一度しかパスをもらえなかったのだ。彼は、チームメイトに気付いてもらおうと何度も手を振っていたが、ボールは回ってこなかった。彼は落胆したような仕草をして、フラストレーションを抱えているように見えた。

 また、守備の貢献度も決して高くなかった。戻るのが遅れたシーンが何度かあったのだ。

 それでも、やはり攻撃ではウェストハムにとって、常に危険な存在だった。彼はこの試合で今シーズンのEL5点目を決めたが、これでこの大会通算では21試合で11点目となった。「ヨーロッパリーグのキング」といっても過言ではない驚きの活躍ぶりだ。

 彼は非常にボール扱いに長け、ウェストハムの2人のDFを翻弄した場面もあった。また、シュートが撃てそうな場面で、落ち着いてチームメイトにパス出したのには驚かされた。もちろん、いい意味でだ。

 相手が捕まえづらいポジションでプレーし、よく動く。守る方は、彼にマークを付けるべきか、フリーにさせておくか、悩ましいのだ。終盤にも惜しい場面があったが、とにかく危険なエリアに顔を出して来る。

 我々(ウェストハム)にとって、鎌田は実に厄介で、頭の痛い存在だった。正直、ここまでの選手だとは思わなかった。衝撃を受けたと言っても、オーバーではない。

 だが、第2戦レグでは、彼の守備の弱さを突けるかもしれない。結果がどうであれ、鎌田はエキサイティングな選手だという評価は変わらない。実際に見て、それがよくわかった。

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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