いざ4冠獲得へ――絶好調のリバプールはイングランド史上初の快挙を成し遂げられるのか?

2022年04月21日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

2022年に入ってからは24試合で1敗のみ

マンチェスター・ユナイテッド戦に完勝し、歓喜の表情を浮かべるクロップ監督。当代随一の名将は快挙を達成できるのか。(C)Getty Images

 イングランドのクラブ史上初の4冠獲得(プレミアリーグ、FAカップ、リーグカップ、チャンピオンズ・リーグ)に向けて、リバプールが快進撃を続けている。

 現地時間4月19日のプレミアリーグ30節(延期分)では、宿敵マンチェスター・ユナイテッドを4-0と完膚なきまでに叩きのめし、あらためてその強さを証明している。

 2022年に入ってからの公式戦の戦績は19勝4分け1敗。敗戦はCLラウンド・オブ16第2レグのインテル戦(0-1)のみで、2戦合計で勝ち上がりを決めているだけに"負けた"という感覚もないだろう。

 現状を整理すると、リーグカップはすでに2月に戴冠を果たし、プレミアリーグでは6試合を残して首位のマンチェスター・シティと勝点1差の2位、FAカップは決勝進出、CLはベスト4入りを決めている。

 これから約1か月で10試合をこなす過密日程が心配されるが、現在のリバプールはバックアッパーも含めてひとりも怪我人を抱えていない。
 
 前線にはモハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョッタ、ルイス・ディアスと5人のワールドクラスのアタッカーを抱えるなど、クラブ史上最高と言える選手層を誇っている。日本代表で10番を背負う南野拓実がベンチにも入れないほどだ。
 
 以前から4冠の可能性についてユルゲン・クロップ監督は「絶対に不可能だ」と語ってきているが、公式戦も残り10試合(CL決勝を含む)となり、いよいよ現実味が帯びてきている。

 CL準決勝の相手が、やや力の劣るビジャレアルに決まったのも追い風だ。ユベントスとバイエルンを連破してきた実力は侮れないとはいえ、ホームでの初戦の結界次第では、第2レグは多少のターンオーバーも可能かもしれない。

 最もハードルが高いのは、プレミアリーグ制覇だろう。たとえ全勝したとしてもマンチェスター・Cが躓くことが条件となるからだ。リバプールはまだトッテナムとのホームゲーム(36節)を残しているものの、昨シーズン王者はすでに「ビッグ6」との対戦を終えているという点でも、やや不利ではある。

 とはいえ、マンチェスター・Cは悲願のCL初制覇に向けてレアル・マドリーとの準決勝に神経を使わざるを得ないだけに、取りこぼしも十分考えられるだろう。

 いずれにせよ、残りの試合すべてがトーナメント戦のようなものであり、1試合の負けも許されない状況に変わりはない。ただ、いまのリバプールにはそれも不可能ではないと感じさせる強さと勢いがあるのも事実だ。

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