柏は今季初の連敗で“大きな岐路”へ。古賀太陽が促すチームの変化「昨年の苦しい経験を生かさなければ」

2022年04月18日 鈴木潤

好調の要因はインテンシティの高さ。しかし京都戦は…

京都戦の敗戦で今季初の連敗となった柏。古賀がキャプテンとして責任ある言葉を口にした。写真:滝川敏之

[J1第9節]柏0-2京都/4月17日/三協フロンテア柏スタジアム

「ゲームを通してなかなか我々がやりたいサッカーをやらせてもらえなかった。球際、戦う部分で今日は完敗だった」

 ネルシーニョ監督に代わって、この試合の指揮を執った井原正巳ヘッドコーチは試合をそう振り返った。柏は試合開始直後から京都のアグレッシブなプレッシャーによって自由を奪われ、今季初の複数失点を許すとともに、前節の川崎戦に続いて敗戦し、今季初の連敗を喫した。

「インテンシティの高さは、今まで僕たちが強みとして今シーズン戦えていたところ」(川口尚紀)

 選手が自負するとおり、柏の好調の要因はインテンシティの高さにある。全選手が最後まで足を止めずに相手にプレッシャーをかけ続け、攻守の切り替え、球際、セカンドボールの回収で相手を上回る。事実、今季勝利を収めた試合では、対戦相手の監督は「柏のプレッシャーの勢いを受けてしまった」と敗因を挙げていた。
 
 しかし、京都戦ではそれまで勝利を収めてきた試合と同等のインテンシティの高さを発揮できたとは言い難く、これまで柏が対戦相手にやり続けてきたことを、逆に京都にやられてしまった感がある。

 それでも京都の激しいプレッシャーを剥がし、サイドのスペースを突いて敵陣へ攻め込む場面は何度か作った。81分にマテウス・サヴィオが長い距離を走って相手GKに猛然とプレッシャーをかけ、キックミスを誘った際にはスタンドから大きな拍手が沸き起こったように、最後まで諦めない姿勢も見せた。

 おそらく昨年の柏ならば、立ち上がりの失点によってチーム全体が浮き足立ち、90分間単調なサッカーに終始したまま敗れていたことだろう。昨年との比較では、選手それぞれの献身性は高まっている。また、課題だった戦術面も改善の方向へと進み、有望な若手選手の台頭もある。チーム内の雰囲気も含めて、昨季とは明らかな変化を序盤戦に見せたからこそ、柏に問われるのは今後の戦い方だ。
 

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