「死の組だとは思わない」森保Jが入ったE組を英国人記者はどう見る?「日本にも十分にチャンスがある」 

2022年04月06日 スティーブ・マッケンジー

日本よりドイツに消えてもらったほうが良いと考えるかもしれない

優勝経験のあるスペインとドイツとの対戦が決定した日本代表。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 カタール・ワールドカップのドローに、日本中のファンが悲鳴をあげたことだろう。

 ドイツとスペイン。1つのグループに、2つの欧州の大国が入ったことに不公平さを感じたファンもいたかもしれない。ただ、日本では「死の組」と呼ばれているようだが、私はそうは思わない。失うものが何もない日本にも、チャンスは十分にある。

 スペインとドイツに勝つのは相当難しいと考えているかもしれないが、2か国とも世界を席巻した8~12年前ほど、飛び抜けてはいない。2018年のロシア・ワールドカップでも、両国とも不本意な結果に終わり、特にグループステージ敗退となったドイツは酷かった。

 その4年前よりは若手が台頭し、新陳代謝が進んでいるとはいえ、逆にいえば、経験値はそれほど高くないのだ。

 何より、日本は前回大会で世界最高峰のチームと渡り合えることを示したではないか。イングランドがPK戦の末に下したコロンビアには勝ち、イングランドが2度敗れたベルギーとは、好勝負を演じた。

 しかも、開催地はカタールだ。他の3か国に比べれば、日本は中東でのプレーに慣れている。これは小さくないアドバンテージになるだろう。

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  日本が本大会までにしなければならないのは、ドイツ&スペイン対策としてヨーロッパの強豪国との試合を組むことだ。イングランド、フランス、イタリアあたりをターゲットにするべきだろう。いまの日本代表は、欧州でプレーする選手がずらりと揃っている。個々に自信をつけており、強豪国相手に萎縮するようなプレーヤーはいないはずだ。

 第2戦でコスタリカかニュージーランドと当たるスケジュールも良かったと思う。ここでしっかり勝点3を取れれば、第3戦はどうなるか分からない。もし、スペインのグループステージ突破が決まっていれば、決勝トーナメントを見据え、メンバーを落とす可能性もある。日本よりドイツに消えてもらったほうが良い、と考えるかもしれない。

 もちろん、非常にタフなグループであり、日本にとって、これ以上難しいグループはなかっただろう。しかし、サッカーは何が起こるか分からない。日本にも十分にベスト16進出の可能性ががあると私は見ている。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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