【J1採点&寸評】清水×湘南|もったいない2失点で清水が手痛い敗戦

2015年08月12日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

カウンターからのスーパーゴールが炸裂するも…

【警告】清水=鄭(31分) 湘南=永木(28分)、島村(63分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】遠藤 航(湘南)

【試合内容】
「戦う姿勢」を強調する田坂新監督の初陣とあり、清水は序盤から球際に厳しく当たる。しかし、個のファイトと全体が上手く連動できずに陣形が間延び。すると、推進力に勝る湘南を相手に後手を踏み、じりじりと押し込まれてしまう。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・6節
 
 8分には永木のクロスに対して犬飼が処理を誤り、まさかのオウンゴール。その後も守備に比重を置く清水は、相手の勢いを押し返せないまま前半を終えた。
 
 後半は一転して、清水のペースに。コンパクトな陣形を保ち、アグレッシブに攻めの姿勢を打ち出すと、61分にはカウンターからスーパーゴールが生まれる。P・ウタカのポストワークからM・デュークが左サイドを突破。鋭いクロスに大前が走り込み、美しい同点弾をマークした。
 
 これで攻勢を強めたい清水だったが、またもやもったいない失点を喫してしまう。自陣深い位置でFKを与え、その流れからこぼれ球を拾った島村に決められ、突き放される。
 
 以降は大前を中心にゴールに迫るも、惜しくも得点には結びつかず。局面では戦えていた清水だが、攻守でディテールの甘さが響いてしまった。
 
【チーム採点・寸評】
清水 5.5
球際の激しさなど、守備の意識は改善の兆し。半面、攻撃は"個"に頼るシーンが多く、単調さは否めない。
 
湘南 6
ワイドを使った組み立てで、一日の長。曺監督に言わせれば、スタイルを貫いた結果、「運も味方してくれた」。
 
【清水|採点・寸評】
GK
21 杉山力裕 5
ミスらしいミスはなかったが、クロスボールとセットプレーから2失点。守備陣との連係を含めて、最後の精度を上げたい。
 
DF
16 六平光成 5.5
慣れない左SBでもスライディングで身体を張るなど、気持ちは出した。裏を取られる形が目に付いたのは課題だ。
 
5 ヤコヴィッチ 5
相手のスピードやクロスボールに抵抗するも、不安定な印象は拭えず。右太腿の怪我に加え、戦術的理由で早々に交代。
 
4 カルフィン・ヨンアピン 6
ラフなプレーが少なくなかったが、戦えていたのは確か。決して得意ではない空中戦でもチャレンジの姿勢を見せた。
 
13 犬飼智也 5
オウンゴールが精神的に響いたか、ボールを持った時の戸惑いが目立つ。その結果、消極的なプレーが多く、ミスも散見。
 
MF
45 角田 誠 6
ボランチで出場も、竹内の投入によりCBへ移動。クラッシャーとして機能し、周囲への声掛けも頻繁に行なった。
 
39 白崎凌兵 5
前半は守備に追われるばかりで、前を向くシーンはわずか。セカンドボールの拾い方など、ボランチでの経験不足は否めず。
 
10 大前元紀 6
フリーランからワンタッチで仕留めた同点ゴールは、さすがの嗅覚。ゴールに近い位置での仕事がもっと増えれば……。
 
19 ミッチェル・デューク 6
エネルギッシュな突進で相手の脅威に。大前に送ったクロスは文句なしの精度で、さらに確率を高めたいところ。
 
FW
18 ピーター・ウタカ 6
序盤はA・バイアや遠藤の対応を剥がし切れず、最後の局面を突破できなかった。次第にトラップを工夫し、起点になる。
 
9 鄭 大世 5.5
思うように縦へ勝負できず、ワンタッチパスにも乱れが目立った。P・ウタカとの距離感にも大いに改善の余地がある。
 
交代出場
MF
20 竹内 涼 6
ポジショニングに気を配り、リンクマンとしては及第点の出来。終盤には狙いすましたミドルパスを大前に通した。
 
MF
11 村田和哉 6
縦への突破は警戒されていたが、カットインから好機を演出。もう少しボールに触れればチャンスは広がったはず。
 
MF
14 澤田 崇 -
キレのあるドリブルで左サイドを押し込む。シュートやクロスなど、フィニッシュにつなげる意識をさらに高めたい。
 
監督
田坂和昭 5.5
ファイティングスピリットは確かに見せたが、ラフプレーとも紙一重。いずれにせよ結果は出ず「悔しい」初陣に。

次ページ代表帰りの遠藤は、攻守両面で抜群の存在感を発揮。

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