メッシとは意気投合も、パリSGで苦しむS・ラモスのいま。「自暴自棄に陥りかねない状況だが…」【現地発】

2022年03月31日 エル・パイス紙

「セルヒオのホスト役のような存在」になったのは?

コンディションが整わず、なかなかピッチに立てていないS・ラモス。(C)Getty Images

 9か月半前、セルヒオ・ラモスはレアル・マドリーを去ることを望んでいなかった。そして今月のチャンピオンズ・リーグ、ラウンド・オブ16の第2レグにおいてパリ・サンジェルマンの一員としてサンティアゴ・ベルナベウに帰還することを望んでいたが、それもまた叶わなかった。

 マドリーにおけるキャリアは、昨シーズン、怪我を抱えたままエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノのスタンドで終えた。今回元チームメイトとの対戦をサンティアゴ・ベルナベウのスタンドから観戦することになったが、これもまだ完治していない怪我のためである。

 怪我の種類は同じではない。昨年2月6日に左膝の半月板を手術して以来、度重なる怪我に見舞われている中での2つのアクシデントに過ぎない。この間、出場は10試合、547分にとどまる。内訳はマドリーで3試合、スペイン代表で2試合、パリで5試合だ。

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 自暴自棄に陥りかねない状況だが、親しい関係者は、「そのような様子は全くない。17年間のキャリアの中でこのような経験は初めてだけど、セルヒオは強靭なメンタルの持ち主だ。逆境に負けない心を持っている」ときっぱり否定する。

 いずれにせよ、ラモスにとってこの1年は苦難の連続だった。筋肉系の故障を繰り返していることに加え、昨シーズン限りで16年間在籍したクラブと決別。完成に近づいていたマドリードの新邸宅を離れ、異国に移り住むことを余儀なくされた。

 パリでの最初の数日間は、家族と一緒に「ル・ ロイヤル・ モンソー」に滞在した。パリの新加入選手ご用達のホテルで、リオネル・メッシも1か月遅れで利用した。400メートル離れたところに凱旋門があるなどロケーションも抜群の超高級ホテルだが、エントラン付近はファンや観光客でごった返すという欠点がある。

 そんなラモスを窮屈なホテル生活から抜け出すのに手を貸したのが、マドリー時代もチームメイトだったケイラー・ナバスだ。2人の関係についてナバスの知人は、「兄弟のように仲がいい。ケイラーはクラブにおいてセルヒオのホスト役のような存在だ」と証言する。ラモスはしばらくの間、ナバスの家に居候し、妻のピラール・ルビオと子供4人は一旦マドリードに戻った。

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