【釜本邦茂】4万人が入った試合で何しとるんや!もう少し点を獲るためのアイデアとクオリティが欲しい

2022年03月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

これまでのW杯もフィニッシュの質が差を分けてきただけに…

日本は圧倒的に試合の主導権を握ったが、勝ち越すことは叶わなかった。写真:田中研治(サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影)

 24日のオーストラリア戦に勝ってワールドカップ出場を決めて臨んだ最終戦のベトナム戦だったが、1-1の引き分けに終わってしまった。この予選の戦績を見ても、FIFAランクを見ても、明らかに格下の相手。久しぶりに4万人以上の大観衆が入った試合だっただけに、確実に勝っておきたかった。負けたわけじゃないが、何をしとるんや…と。
 
 もちろん、吉田と山根を除くスタメン9人を入れ替えたことで、チームとしてやりにくさというのもあっただろう。ただ、あれだけ相手を押し込んで、シュートも打って、決定機も何度もあった。ゴール前のクオリティはもう少しなんとかできなかったものか。

 サイドからのクロスボールも質が高いとは言えなかった。ペナルティエリアの中に5、6人くらいいるのに、正直にクロスを入れて悉く跳ね返されていたのはいただけない。GKの取れないところへ入れて折り返しを狙うとか、一枚、二枚ドリブルで剥がしてからクロスを上げるとか、もう少し点を獲るためのアイデアが欲しかったね。

 特に前半は押し込んでもスムーズに連動した攻撃が少なかったから、相手も最後の局面でなんとか身体を張って粘り強く守ることができていた。逆に後半は伊東や田中、守田といった主軸たちが入るにつれて、攻撃にもスピードとテンポが生まれたように感じた。ゴールはシュートのこぼれ球を吉田が押し込んだものだったが、フィニッシュの局面で言えば、あのシーンのように多少泥臭くとも、もっとゴール方向へシンプルに押し込んでいく、相手が前にいてもシュートを積極的に打っていくなどの力強さがあってもよかった。もちろん、ハンドやオフサイドで得点を取り消された場面など、そういうシーンがないわけではなかったのだが……。これまでのワールドカップでも最後のフィニッシュの質が差を分けてきた部分もあるだけに、間違いなく本大会へ向けた課題と言えるよ。

【W杯アジア最終予選PHOTO】日本1-1ベトナム|吉田麻也の一撃で同点に追いつくも…ベトナムの守備を崩しきれずドロー決着!

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