【岩本輝雄】寒いし、点は入らないし…雨中のマリノス対サガンは退屈だった? いや、むしろ見応え十分。再確認できたこともあった

2022年03月19日 岩本輝雄

右サイドの飯野は改めて良い選手だなと思った

雨中のマリノス対サガンは寒さも気にならなくなるぐらいの白熱の好ゲームだった。寒かったけどね。写真:徳原隆元

 寒かった……とにかく、寒かった。

 三ツ沢で現地観戦したマリノス対サガン。試合前から雨、試合中も雨、試合後も雨。コロナ対策だけでなくしっかり防寒もしながら観ていたゲームは、0-0のスコアレスドローという結果に終わった。

 寒いし、点も入らないし、あいにくのピッチ状態で両チームとも本来のサッカーを表現しきれていなかったと思う。

 じゃあ、退屈だったかと言えば、決してそんなことはなかった。むしろ見応えがあった。面白い試合だったよね。

 マリノスもサガンも、縦に速くて、どんどん前に出てくる。プレッシャーも速くて、素早く攻守を切り替えて、高い位置からアグレッシブに奪いにかかる。

 もちろん、雨の影響でボールが止まったり、思い通りにパスがつながらない場面は何度もあった。でもその一方で、ロングボールなどでシンプルにスペースや背後を狙って、局面を前に進めていく。

 基本に忠実というか、シチュエーションに応じて必要なプレーをする。やっぱりJ1の選手は上手いと思ったよね。難しいピッチ状態だからこそ、ごまかしが利かない。しっかりとした技術が再確認できたとも言える。

 お互いにタフに戦っていたけど、より印象に残ったのはサガンのほうかな。特に前半の勢いは凄かった。高い強度のプレッシングは、やみくもに仕掛けるのではなく、連動して外に追い込むとか、ちゃんと組織立っていた。

 ダブルボランチのひとりは前に出ていくけど、もうひとりはマリノスのトップ下・マルコスをほぼマンツー気味に監視して自由にやらせない。マリノスがテンポ良くボールを前に運べなかったのは、雨のせいだけではなかったはずだ。
 
 3バック中央の田代をはじめ、個々は球際が激しくて1対1も強い。かなり鍛えられているんじゃないかな。なかでも、右サイドの飯野は改めて良い選手だなと思った。攻守両面で馬力あるプレーを見せていたよね。

 将来性ある若手や、伸び盛りの選手が多いサガンは、かなりのポテンシャルを秘めていると感じた。開幕から5試合を消化して、1勝4分。引き分けが多いとはいえ、まだ負けていないのは大きい。良いチームであるのは間違いなく、優勝候補のマリノスにもまったく引けを取らなかった。

 この両チームの対決は、ピッチがベストな状態の時にまた見てみたいと思ったけど、いずれにしても、この日は観るほうも大変だったと思う。悪天候のなか、わざわざスタジアムに足を運んで熱い声援を送っていたサポーターの方々、お疲れ様でした!

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