高校No.1ストライカーがバイエルン練習参加へ! 日本高校選抜の10番が「デンチャレ」で味わった悔しさと刺激を糧に海を渡る

2022年03月15日 安藤隆人

日本高校選抜のエース、福田師王はノーゴールに。チームは8位に終わる

日本高校選抜で10番を背負った福田。随所に能力の高さを発揮したが、得点には届かなかった。写真:安藤隆人

 納得のいくプレーは出来なかった。日本高校選抜の10番を背負う神村学園のFW福田師王は、2年連続の出場となるデンソーカップチャレンジサッカーでノーゴール、チームも8チーム中8位という結果に終わった。

 もちろん、この結果は福田だけの責任ではないし、相手は全て年上の大学生たちで、言ってみれば格上の相手でもある。
 
 4月から大学生になる選手を中心に結成した日本高校選抜においても、福田は4月から高3と若い。フィジカル的にもスピード的にも相手優位の中で守勢に回ることが多く、最前線にポジションを張る福田のもとにボールが供給されることは少なかった。福田が上手く相手のマークを外して絶妙な動き出しを見せても、相手の中盤のプレスを受けて欲しいタイミングでパスが来なかった面もあった。それらを加味すると、全く持って持ち味を出せなかったかというとそうではなく、才能の片鱗は何度も見せた。

 だが、多くのJ1強豪クラブが獲得に本腰を入れている高校ナンバーワンストライカーは、どんな相手でも結果を出さないといけないのは確か。それだけに「チャンスはあったのに決めきれない。不甲斐なかったし、それが試合結果に直結すると改めて分かった」と自分の出来には到底納得はできていない。

「相手は僕に強く来ますし、どんどん身体を入れてくる。裏を返せば前に出てくるので、背後が開くことを考えて、タイミングをずらして背後にすり抜けることを狙いました。でも、やっぱりもっとオフのところで相手との駆け引きをしないといけないし、その次のことを考えて相手がしっかりと見えるようにしないといけないと思いました」

 この大会、福田は2人の人物から大きな刺激を受けていた。ひとりはパリ五輪を目指すU-21日本代表の大岩剛監督。CBとして多くの名だたるFWと対峙してきた大岩監督から受けた生きたアドバイスは彼の中で大きな刺激と財産となっている。

「印象に残っているのは、『収めるところやプレースピードの速さは全部上げていかないといけない。このレベルでできるのは当たり前にしろ』と言われたことですね。大岩監督は本当に熱血で、選手の気持ちを分かってくれて、その中で僕の動き出しをCB目線で教えてくれます。『CBは背後を取られるのが嫌いだから、常に相手と駆け引きをして嫌なポジションをとって、裏を取る楽しさを覚えろ』と言われました。僕は大岩監督が好きなので、これからもアドバイスをもらいながらしっかりとプレーをしたいです」

 前述したこの大会で見せた絶妙な抜け出しとマークの外し方は、まさにこのアドバイスを生かしたものだった。さらに大岩監督が視察に訪れていたこともあり、彼は成長した姿を見せ、かつ課題を指摘してもらうべく意識を高く持ってプレーをしていた。

【2021選手権PHOTO】来季の活躍が期待される「下級生ベストイレブン」

次ページ「ドイツ語もアンリ君とちょっとだけ勉強しています」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事