【セルジオ越後】前評判は良かった浦和と神戸だが… 期待されたチームがスタートダッシュできないワケは?

2022年03月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

全体的にこじんまりとした浦和

開幕からなかなか調子が上がらない浦和と神戸。ようやく浦和が前節初勝利を挙げた。写真:サッカーダイジェスト

 Jリーグが開幕して約3週間が経過したけど、前評判で期待されていたチームが思うような"スタートダッシュ"というわけには、いっていないようだ。

 昨年の天皇杯を制し、富士フイルム・スーパーカップで王者の川崎フロンターレも倒した浦和レッズもまた然り。開幕前に今年は期待できそうだと言われていたけど、ふたを開けてみれば開幕から5戦目でようやく今季初白星を手にしている。開幕直前にコロナ陽性の選手、スタッフが複数出てしまい、メンバーが揃わなかった不運もあるけど、まだまだ安定した力を発揮できるようなチーム力はない。
 
 昨シーズン後のオフから阿部や槙野、宇賀神、興梠とベテランたちが引退や退団。監督が望んだ新しい選手たちを起用してチームを作っているけど、全体的にこじんまりとしたチームになった印象だよ。日本代表の選手も今は酒井と江坂だけで、頼みのユンカーもちょっと怪我がち。常にグループの中でチームをグイグイ引っ張るようなタイプが見えてこないのも物足りなさを感じさせるね。

 東の期待の星がレッズだったとすれば、西ではイニエスタや代表クラスの選手を抱えるヴィッセルが期待されていたと思うけど、やはりレッズと同様に苦戦し、序盤戦6試合を戦って、こちらはいまだ勝利がない。しかも前線の武藤、大迫が揃って負傷離脱となってしまい、苦しい台所事情を余儀なくされている。昨季まで最終ラインを支えたフェルマーレンの穴を埋めるピース選びにも苦労しているし、ボージャンも元バルセロナの肩書きほどの活躍ができているわけじゃない。

 ヴィッセルはやはりチームの中核を担う助っ人に依存してきたチーム。11日のアントラーズとの試合でも、イニエスタとサンペールが入った途端、一気に攻勢の流れを強めて得点の雰囲気をつくり出していた。ただ、前線にゴールを奪い切れるアタッカーがいなかったのが大きく響いたね。本来ならここに大迫や武藤、あるいはコロナ禍でなければ、海外から大物助っ人を連れてきていたのかもしれない。そういう意味では、移籍市場は助っ人も含めて国内チームに在籍している選手で回している感はあるし、そこで上手くやれているチームが今後は上位に絡んでくるんじゃないかな。

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