「大学サッカーは関東だけじゃない!」九州の精鋭たちが誇示した強烈な自己主張…プロ注目のタレント軍団を相手に演じた激闘はドロー決着

2022年03月10日 安藤隆人

関東勢にどれだけできるかは「今後のサッカー人生にも大きく関わってくる」

プロ注目のタレントが揃う関東選抜A対し、善戦を見せた九州選抜(水色)。MF高(日本文理大)がゴールを狙う。写真:安藤隆人

「関東A選抜が相手ということでもの凄く気持ちは入っていました」

 3月9日に行なわれたデンソーチャレンジカップ福島大会初戦、九州選抜の10番を背負うMF北條真汰(福岡大・2年)が語ったように、九州選抜は優勝候補筆頭の関東選抜Aに立ち上がりから闘志むき出しで挑んでいった。

「デンチャレもそうですし、全国大会でも関東勢が常に上位にいてレベルが高いのはわかっていましたし、その相手にどれだけできるかが、今後のサッカー人生にも大きく関わってくると思います」(北條)
 
 サンフレッチェ広島内定のCB中野就斗(桐蔭横浜大・3年)を始め、プロ注目のタレント揃いの関東選抜Aを相手に勝利をすれば、自ずと自分たちの評価が上がる。ピッチに立つ全員がそう意識していたことで、ピッチ上では活発に声が飛び、球際も激しくかつ守備から攻撃の切り替えも早かった。

 最初のチャンスを掴んだのは九州選抜の方だった。15分、クロスをファーサイドに飛び込んだ左サイドバックの吉田真那斗(鹿屋体育大・2年)がフリーで決定的なシュートを放つが、これは関東選抜Aの守護神・飯田雅浩(国士舘大・3年)のファインセーブに阻まれた。

 後半になっても九州選抜の気迫と運動量は一向に落ちない。岡野凛平(日本文理大・3年)、山本廉(鹿屋体育大・3年)、北條の3トップが流動的に動いて、山本の抜け出し、岡野のスルーパス、北條のドリブルとそれぞれの持ち味を発揮。54分にはセットプレーからのこぼれを岡野が目の覚めるようなダイレクトボレー。これは左ポストを叩いた。

 守ってもJクラブの争奪戦が繰り広げられている関東選抜Aのエースストライカー・山田新(桐蔭横浜大・3年)の馬力ある突破を、伊藤颯真(福岡大・2年)と竹内悠力(日本文理大・2年)のCBコンビを中心に一度振り切られてもサポートに入ったり、球際へのアプローチ、スライドを繰り返してチャンスを作らせなかった。

 何がなんでも結果を残したい九州選抜と、優勝候補のプライドにかけて勝ち切りたい関東選抜A。最後の最後まで強度と声が落ちない激戦はスコアレスドローで幕を閉じた。

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