Jスカウト陣を前に輝きを放った2年生カルテット! 日本高校選抜が格上の大学選抜を相手に見せた可能性

2022年03月10日 安藤隆人

デンソーチャレンジカップで東海選抜、関東選抜B、U-20全日本大学選抜と対戦

日本高校選抜のエース・福田。初戦は無得点に終わったが存在感は十分だ。写真:安藤隆人

 福島県で9日から13日にかけて行われるデンソーチャレンジカップ福島。初日、昨年度からこの大会に参加するようになった日本高校選抜は、その5日前に行なわれたプレーオフを勝ち抜いた東海選抜と対戦をした。

 大学選抜は1~3年(来年度の新2~4年)で形成され、高校選抜は高校2・3年(来年度の高校3年、大学1年)で形成されており、格上の相手。立ち上がりから東海選抜の強度の高いプレーに苦戦を強いられた。結果は37分に先制を許すと、前半アディショナルタイムに追加点を奪われ、後半は71分に3点目を浴びて0-3の敗戦。

 フィジカルの差などを見せつけられた試合となったが、それでも高校選抜は局面でそれぞれの持ち味を発揮した。とりわけ輝きを放っていたのは神村学園のFW福田師王、東山高のMF阪田澪哉、前橋育英の根津元輝、流通経済大柏のDF大川佳風の2年生カルテットだ。
 
 福田は1トップ、阪田が右サイドハーフ、根津がボランチ、大川は右サイドバックとしてスタメン出場を果たすと、阪田が持ち前の爆発的なスピードで縦突破を仕掛け、チームのベクトルを前に仕向けた。大川との連係も息が合って来ており、お互いの立ち位置を確認して阪田が仕掛けるフリをして大川にスイッチしたり、大川も阪田のポジションを見てサポートや追い越す動きを見せて、サイドを打開しようとした。

 福田は果敢に競り合いを挑み、前線でポストプレーやワンタッチプレーで裏を狙うなど、プロ注目のストライカーにふさわしい引き出しの多さを見せていた。ボランチの根津は球際にも真っ向勝負で挑むなど、身体を張った守備で前への圧力を強める東海選抜の攻撃を阻んだ。

 スコアは0-3で苦しいゲームとなったが、彼らが示した可能性は多くのJクラブスカウトにしっかりと伝わったはずだ。

「フィジカルレベルが非常に高いし、プレースピード、プレスの迫力も凄くて、持ち味である縦への突破が思うように出せなかった」と試合後、阪田が唇を噛んだように、確かにフィジカル面での苦戦は感じられたが、その中でもそれぞれも持ち味を出そうと創意工夫する姿は流石のポテンシャルと感じた。
 

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