いよいよWEリーグが再開! 首位I神戸の独走は続くか、それとも…後半戦の全11チームの見どころ&注目選手をチェック!

2022年03月03日 西森彰

失ったリズムを取り戻せるか

いよいよWEリーグが再開。初代女王に輝くのはどのチームか? 左上から時計回りで成宮(I神戸)、猶本(浦和L)、清水(ベレーザ)、鮫島(大宮V)。(C)SOCCER DIGEST

 WEリーグの長いウインターブレイクがようやく終わる。2月27日に行なわれた皇后杯決勝でお披露目された優勝トロフィー「Women Empowerment Trophy」を巡る熱い戦いは、今週末の3月5・6日に予定されている第12節(5試合)で再開する。

 5日の4試合で最も早くキックオフするのは、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行なわれるINAC神戸レオネッサ対ちふれASエルフェン埼玉だ。I神戸は、成宮唯、山下杏也加ら新加入選手の活躍もあり、第9節まで無失点の8戦全勝と独走してきた。

 ところが、第10節のマイナビ仙台レディース戦で初失点&ドローに終わると、皇后杯では日テレ・東京ヴェルディメニーナに今季公式戦初黒星を喫した。杉田妃和の海外挑戦(→ポートランド・ソーンズFC/アメリカ)による離脱もあるなか、失ったリズムを取り戻せるか。優勝へ向けて、リーグ再開後の数試合が山場になりそうだ。

 10試合を消化してカードを1枚ももらっていないAS埼玉は、暫定順位は最下位だが、11月のリーグ戦では、ふたつの埼玉ダービーを含めて1勝2分と良化してきた。アテネ五輪組の荒川恵理子、山本絵美らの他、ユース出身でここまで2得点の吉田莉胡、クインリー・クエザダ(千葉L)らと共にフィリピンを女子ワールドカップに導いたサリナ・ボールデンらが、ジャイアントキリングを成し遂げるか。

 勝点9差の2位が、I神戸の無失点記録を止めた仙台Lだ。注目を集めるのは女子アジアカップで光るところを見せた隅田凜、長野風花、宮澤ひなたのトリオ。そこに得点王トップタイ(5得点)の白木星や3得点の矢形海優、離脱していた浜田遥が戻れば、さらに魅力的な攻撃が期待できる。ビッグセーブを見せる松本真未子ら守備は安定しており、さらなる前進が可能だ。
 
 その仙台Lの敵地に乗り込むサンフレッチェ広島レジーナは、ベテランの近賀ゆかり、中村楓をはじめ、チーム全体でプレシーズンからファイトし続けてきた。皇后杯を制した三菱重工浦和レッズレディースに、リーグ戦で昨年10月の対戦では2-1で勝利するなど台風の目となっている。仙台Lとはリーグ戦では0-2で敗戦、皇后杯では2-0で勝利。今季3回目の対戦は、両チームの今後を占う。

 3位の浦和Lは、I神戸と並んでリーグ最多の16得点。今季も得点王争いの軸となっている菅澤優衣香をはじめ、猶本光、塩越柚歩をはじめ、タレントは枚挙にいとまがない。前半戦途中から失点が増えた(10失点)こともあり、1ゲームあたりの得失点合計が3点弱。11チームで、最もゴールに絡んだチームになっている。柴田華絵、安藤梢が中盤を締めて、皇后杯は4試合無失点で優勝。タイトルホルダーの底力を、後半戦こそ発揮する。

 対戦相手のジェフユナイテッド市原・千葉レディースは、皇后杯決勝の雪辱を期す。リーグ戦では、第5節から林香奈絵らを中心にした堅守で複数失点がなく、7試合負けなし。2位の仙台L、3位の浦和Lと同勝点の4位につける(千葉Lは1試合多く消化している)が、ここまで4得点の大澤春花や、皇后杯で活躍した鴨川実歩ら生え抜き選手による攻撃がかみ合えば、さらなる飛躍が見込める。
 

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