ヨーロッパリーグ予選大敗のサンプドリア……ゼンガ新監督は早くも解任の危機に!?

2015年08月03日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

フェッレーロ会長が望む大物獲得を拒んだことでも立場が悪化。

ヴォイボディナ戦の大敗についてゼンガ監督(左から2人目)は、主力選手のウィルス感染を原因のひとつに挙げたが、フェッレーロ会長(左から3人目)は「間違った試合」と振り返っている。 (C) Alberto LINGRIA

 サンプドリアの新監督ワルテル・ゼンガが、セリエA開幕3週間前にして、早くも解任の危機に晒されている。
 
 7月30日にトリノのスタディオ・オリンピコで行なわれたヨーロッパリーグ(EL)予選3回戦第1レグで、ヴォイボディナ(セルビア)に0-4の惨敗を喫したことで、その責任が問われているのだ。
 
 サンプドリアは昨シーズンのセリエAを、EL出場権に及ばない7位で終えたが、6位のジェノアが財政的な問題でUEFAライセンスを取得できなかったため、同じ都市のライバルチームに代わって予選3回戦への出場権を得たという経緯があった。
 
 しかし、初戦の大敗によって欧州での夢は、始まる前に終わりを迎えようとしている。
 
 マッシモ・フェッレーロ会長は翌31日、クラブ首脳を伴ってジェノバ郊外ボリアスコのトレーニングセンターを訪れ、ゼンガ監督を含むテクニカルスタッフ全員と話し合いを持った後、マスコミの取材に対して次のように答えている。
 
「ゼンガ? 第2レグが終わるまで待とう。全員が昨日よりもマシなプレーを見せなければならない。全てはその後だ」
 
 フェッレーロ会長は、自らが望んだ元イタリア代表FWアントニオ・カッサーノ(昨冬にパルマを退団した後はフリー)の復帰を、ゼンガが拒んだことに対しても不満を抱いている。
 
 映画プロデューサーで派手好きの同会長は、昨冬にサミュエル・エトーを獲得したことが示す通り、ビッグネームの獲得による話題作りを好んでおり、カッサーノだけでなく、現在リバプールで戦力外となっている元イタリア代表マリオ・バロテッリにも関心を示していた(移籍金、年俸とも予算外のため断念)。
 
 これらのことから、第2レグの内容次第では、ゼンガの解任に踏み切る可能性もある。
 
 すでに、今夏の監督選びの時点で第1候補だったものの、オファーを断られたヴィンチェンツォ・モンテッラ(前フィオレンティーナ)に、代理人を通して改めて接触を持った模様だ。
 
 ただし、モンテッラは現在もフィオレンティーナとの契約下にあり、フィオレンティーナが契約解除に応じない限り、他のクラブと契約を交わすことはできない。
 
 後任候補としては他に、チェーザレ・プランデッリ(元イタリア代表監督、前ガラタサライ)、ロベルト・ドナドーニ(前パルマ)の名前も挙がっている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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