「相手は困って嫌がっていた」AZ菅原由勢、大一番でコロンビア代表FWを封じるタスクを完遂!「試合中、森山監督の言葉が頭に…」【現地発】

2022年02月28日 中田徹

「マジで疲れました。今日は喜びよりも先に疲れがきましたね」

今シーズンは不動のレギュラーとしてAZを支えている菅原。(C)Getty Images

 AZが最後に負けたのは、昨年11月7日のフェイエノールト戦だった。この3か月半、KNVBカップ準決勝進出、欧州カンファレンスリーグのベスト16入りを決め、オランダ・リーグでは11位から4位まで一気にジャンプアップした。

 そして、2月27日に行なわれた3位フェイエノールトとの大一番を2−1で制し、ライバルとの差を勝点3まで詰めた。

 この日の菅原由勢は右ウイングとして先発し、フェイエノールトのSBティレル・マラシアとウイングのルイス・シニステラが組む左サイドの強力ホットラインを分断することに成功。攻撃面では前半、味方からのクロスにタイミングよく中に入ったところを、マラシアに押されて倒されPKを獲得。これをイェスパー・カールソンが決めてAZが2−0にした。

「めっちゃ、後ろから押されてましたよ。『来た。絶対に入る』と思ったら押されたので、あれは絶対にファウルですよ。PKを獲得して、そのPKも入ったんでね。やるべきことはやれたと思います」

【動画】「めっちゃ、後ろから押された」菅原のPK獲得シーンをチェック
 2−1で迎えた68分から、菅原は本来のポジションである右SBを務めて、シニステラとの一対一を気持ちのこもった守備で封じ続けた。さらに終盤になるとフェイエノールトがGKとDF1人を除く全員が攻撃に加わる捨て身の反撃を試み、その圧を受け続けた菅原も珍しく足を攣らせてしまった。AZの勝利を知らせるタイムアップの笛が鳴ると、歓喜に湧くチームメートの傍らで、ピッチの上に倒れ込んでしまってしばし動けなかった。

「マジで疲れました。今日は喜びよりも先に疲れがきましたね。ほんとうに泥臭い、魂を感じる試合でした」

 試合後の菅原は心底、疲れ切った表情だった。
 
「僕のタスクはフェイエノールトの左SBの選手(マラシア)を含め、彼らの左サイドの良さを完全に消すことでした。僕のプレスや立ち位置を、間違いなく相手の選手は困っていて嫌がっていた。相手が嫌がることを徹底的にやることで、ジャブを効かせるようにジリジリと相手のボールをつなぐ自信をなくしました。シニステラ選手(左ウイング)がボールを持ったときには味方SBのサポートに行くとか、相手の左サイドを徹底的につぶすことができました」

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