【三浦泰年の情熱地泰】初めての“鈴鹿キャンプ”を実施! Jクラブとは異なる事情のなかで、実現できた意義とは?

2022年02月28日 三浦泰年

クラブに寄付されたスキルスーツで新メニューをお披露目

三浦兄弟がピッチを見ながら話し込む。JFL開幕へ調整も順調に進んでいる。

 ある人がクラブに寄付をしてくれた。

 スキルスーツと呼ぶ2色柄のビブスだ。ドイツでよく使われているアイテムらしく、認知能力をアップさせるトレーニングで使われる。

 このビブスを早速、"キャンプ"で使わせてもらい、選手に頭を使わせるトレーニングとして新メニューをお披露目した。

 なぜ、鈴鹿ポイントゲッターズにビブスの寄付が届いたのか? それはある選手が「日本で一番ビブスを使う練習をやるのはやっさんだろう」と言ったらしく、有難くも周囲の好意により、鈴鹿にそのビブス(スキルスーツ)が届いたのである。
 
 ビブスの真ん中で2色に別れている、まるで競馬の騎手が着ているかのようなシャツ。ビブスの色にこだわる僕としては、これをどうトレーニングで効果的に利用していくのか、考えを巡らせている。それは、一緒に同封してあったテキストを参考に、コーチと一緒にない物を形にしていくという楽しい作業でもある。

「練習なんてある程度決まっているでしょう?」と思う人も多いかもしれないが、試合に送り出すためだけでなく、選手として成長させるという大事なミッションが付いていれば、知恵を働かせて、見たことのないビブスさえも利用していく。それは異常のように思うかもしれないが当たり前の事なのである。

 選手が練習に飽きたらいけない。選手の練習が簡単すぎたらいけない。コンディションを整えるためだけのトレーニングであっては勝利と成長、目標達成までには至らないであろう。

 今日はどんな練習をやるのであろうか? 愉しみでもあり、緊張感もあり、そしてドキドキ感もある。

 そして選手がそれを求めるようになるのがベストなトレーニングであろう。

 もちろん世界中から選手が集められ、破格な年俸、富と名声を手にしている集団であれば定食屋の週間メニューのように、月曜日から試合まで曜日で分かっている練習メニューでも良いのかもしれないが……。

 それでもきっと僕は監督として、そういったハイレベルな選手であっても成長を促すメニュー。今日で言えばスキルスーツを着用させて行なう練習を考えるであろう。

 そして開幕戦が近づいてくれば、グループが理解し合うための戦術的な具体的なトレーニングも必要になってくる。

 今回、2月22日~26日までの5日間で鈴鹿ポイントゲッターズ(クラブ)として初めてのキャンプを開いた。クラブ関係者の協力によって開催され、たくさんの人に支えられて無事にキャンプを打ち上げることができた。
 

次ページ「同じ釜の飯を食う」をテーマに、5日間で5試合を実施

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