家族のいる母国が侵攻された日にELで2得点。アタランタのウクライナ代表MFが悲痛な訴え「僕たちの国のために言葉と祈りを広げてくれ!」

2022年02月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官は「今朝、出られる精神状態か尋ねた」

母国ウクライナが侵攻された日に2ゴールを決めたマリノフスキ。 (C)Getty Images

 なんという気力だろうか。祖国が戦火に脅かされ、胸が張り裂ける思いの中、彼はピッチに立ってチームを勝利に導いた。

 2月24日のヨーロッパリーグ決勝トーナメント・プレーオフ第2レグで、アタランタはオリンピアコスに敵地で3-0と勝利した。2-1で第1レグを制していたアタランタは、2戦合計5-1でベスト16進出を決めている。

 前半に先制したアタランタは、後半にルスラン・マリノフスキがドッピエッタ(2得点)をマークした。1点目を決めた際、ウクライナ人のマリノフスキは、ユニホームの下に着たTシャツのメッセージ「NO WAR IN UKRAINE」を見せ、両手を合わせた。

 ロシアのウクライナ侵攻開始を受け、マリノフスキはこの日、SNSで「まさに今、ウクライナは攻撃されている。お願いだ。僕たちの国のために言葉と祈りを広げてくれ!」と世界に呼びかけ。また、夫人も「私の国、私の人々、私の家のことを思って泣き、祈っている。これは人類全体に対する犯罪」と嘆いていた。

【画像】「NO WAR IN UKRAINE」ゴール後に反戦のメッセージを掲げるマリノフスキ
 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、アタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は試合後に「今朝、出られる精神状態か尋ねた。彼はウクライナに家族がいるからだ」と話している。

「彼のドッピエッタはうれしい。サッカーが問題を解決するわけではないが、すべての人たちをもう少し近くにすることに貢献できるときもある」

 また、『CALCIOATALANTA』によれば、マッテオ・ペッシーナは「彼がドッピエッタでゴールを決め、あのメッセージを見せられたことは、運命だったんだ」と述べた。

「目覚めから特殊な日だった。すぐに彼からウクライナのことを聞いたよ。僕たちよりもずっと大きなことではあるけど、良いようになることを願おう」

 世界の人々が、同じように願っている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

次ページ【画像】「NO WAR IN UKRAINE」ゴール後に反戦のメッセージを掲げるマリノフスキ

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事