【サンフレッチェ広島の予想布陣】ドイツ人新指揮官のもと既存戦力を軸に“ゲーゲンプレス”に磨きをかける!

2022年02月07日 中野和也

新スタッフ陣の来日はいまだ叶わずも、日本人コーチ陣が奮闘し“ゲーゲンプレス”の浸透に着手

トレーニングに励む広島の選手たち。今季は過去のイメージを大きく変える可能性もある。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグは2月18日に川崎フロンターレ対FC東京のカードでJ1が開幕。30年目のシーズンがまもなくスタートする。今企画では、J1全18チームの最新予想布陣を公開。プレシーズンの動きから各チームのスタメンとポジション別の序列を予測する。今回は昨季11位のサンフレッチェ広島をピックアップする。

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【画像】2022 J1リーグ各チームの開幕予想布陣!
 新卒加入の3人は全員、広島ユースOB。実績組の新加入にしても期限付き移籍からの復帰と、「広島のことを知らない」選手が1人もいないというチーム構成となった。新外国人FWの補強については現在も検討しているし、可能性もある。ただ、もし獲得できたとしてもチーム合流は開幕以降となるだろうから、シーズンスタートはこのメンバーで戦うことになるだろう。

 ミヒャエル・スキッベ新監督とセハット・ウマルコーチの来日がまだ叶わないのは大きな懸念材料。ただ、有馬賢二コーチや菊池新吉GKコーチら、経験豊富な人材が迫井深也ヘッドコーチを支え、指揮官が提唱する概念をトレーニングに徹底して落とし込んでいる。「経験豊富なコーチ陣が本当に努力してくれている」とオンラインでの指導を行なっているスキッベ監督も、コーチたちの奮闘には満足しているようだ。

 メンバーはほとんど変わっていないが、キャンプで取り組んでいるサッカーは大きく変わっている。相手がボールを持ったその瞬間、一気にボールに対して圧力をかけ、ボールを奪い切っての速攻を発動させる。足立修強化部長が「ゲーゲンプレス」と表現したスタイルは迫力満点だ。

「ボールを奪われてから1~2秒で奪い返せ」というスキッベ監督の方向性は、トレーニング毎に浸透しつつあるといっていい。ジュニオール・サントスは紅白戦で何度も何度もスプリントを繰り返し、迫力満点のプレッシャーをかけるようになった。ルーキーの仙波大志や満田誠も切り替えの速さとプレッシャー強度は高く評価され、開幕でのメンバー入りが期待されている。また、ボランチの野津田岳人や松本泰志がFWを追い越してプレッシャーに行くなど、フォーメーションを崩してでもプレッシャーをかけに行くことは、これまでにはなかったこと。「形を整えるよりもボールに対して守備をする」という考え方から生まれた「攻撃的守備」は、チームの基軸となりつつある。

【画像】広島の2022シーズン予想フォーメーション!

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