【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|元Jリーガーの存在感とタイ・サッカーのレベル

2015年07月28日 サッカーダイジェスト編集部

タイ・プレミアリーグで光る「元Jリーガー」たちの活躍ぶり。

チェンライ訪問時に観戦したタイ・プレミアリーグの試合。元Jリーガーの存在が際立っていた。

 先日、吉岡コーチと仲間ふたりとともに、4人で隣町のチェンライに軽い日帰り小旅行へ車で行ってきた。
 
 チェンマイとチェンライ、似ているが近いようでなかなか行く機会もなかったので思い切って出掛けることにした。
 
 このチェンライにはタイ・プミレアリーグ(TPL)に所属するチェンライ・ユナイテッドがあり、現在TPLの11位につけている。以前、チェンマイFCで半年の間に2回ほど練習試合を行なったがアウェーで0-3、ホームでは2-2という結果で、チーム力・戦力・クラブ力はやはりプレミア級。クラブの存在がしっかり町のシンボルとなっている印象だった。
 
 そして旅行当日には、チェンライ・U対ラーチャブリーFCの試合を観戦する予定で、この試合観戦をメインに吉岡コーチが計画を立て、「しおり」を作成。約200キロ離れたチェンライに向かったのである。
 
 もちろん試合観戦のみではもったいないということで、ふたつの寺を巡り、お昼はタイ料理の食事。すべてが「しおり」通りには進まなかったが、現地にいてもなかなかできないことができ、時間を有意義に過ごせた。
 
 試合は7位のラーチャブリーに対し、11位のチェンライ・Uが上手く勝機を見出して4-0の完勝。両チームともにJリーグでプレーした選手たちが所属し、彼らの活躍ぶりが目立っていた。彼らのタイでの努力は見習うべきものだし、選手としての価値はポジティブに発信されるべきものであった。
 
 ラーチャブリーには湘南や福岡で活躍した永里源気選手が、タイリーグには少ない動き出しの巧みさでチャンスを引き出していた。見事な抜け出しから永里選手がGKと1対1のビックチャンスを迎える場面もあった。きっとニアサイドの上を狙ったのであろうが(観戦角度からだと定かではないが……)、枠を外し、先制のチャンスを逃した。
 
 これがラーチャブリーにとっては大きかったかもしれない。「たら、れば」になるがこれが入っていれば、大差がつく展開にはならなかったであろう。
 
 さらにラーチャブリーにはもうひとり、Jリーグで活躍した選手がいる。ストライカーのヘベルチだ。Jリーグでは知るひとぞ知る存在だったが、タイリーグでは違う。昨年のTPL得点王であり、今季も11得点で得点王が視野に入っている。タイのサッカー界では知らない人はいないだろう。
 
 この試合では0-3からのPKのチャンスを外し、ラーチャブリーにとっても彼にとっても良い結果にはならなかったが、7位という順位には元Jリーガーのこのふたりの貢献度の大きさを感じた。

次ページ個人の力が集団や戦術のなかで活かされない現状。

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