苦難続きで浮上の兆しが見えないアザール。この冬はマドリーに留まりそうだが夏には…

2022年01月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

本職の左ウイングはヴィニシウスの定位置に

アザールが今シーズンのラ・リーガでスタメンに名を連ねたのはわずか7試合。得点はいまだゼロだ。(C)Getty Images

 2019年夏にレアル・マドリーに加入して以来、苦難続きのエデン・アザールに浮上の兆しが見えない。

 カルロ・アンチェロッティ監督は起用法を模索しているが、本職の左ウイングはヴィニシウス・ジュニオールが急成長を遂げ、もはや割り込む余地がなくなった。

 そこで最近は、マルコ・アセンシオとロドリゴがポジションを分け合う形になっている右ウイングで出番を得ているが、不慣れさは否めず、守備面での貢献度も低い。ラ・リーガ22節のエルチェ戦(2-2)の1失点目も、その右サイドを破られてのものだった。
 
 ただし、そのエルチェ戦の後半、アンチェロッティ監督はシステムを4-2-3-1にシフトし、アザールをトップ下で起用すると、さすがの技術の高さやプレービジョンを披露。一転して、相手DFを苦しめる存在となった。

 問題は、定番システムの4-3-3を崩すことでチーム全体のバランスが低下してしまう点。アザールがその不足分を補って余りある働きを見せられればいいが、現状そのレベルにまでは至っていない。

 度重なる怪我と加齢が原因でスピードを失い、プレースタイルを転換することで成功を収めている選手の代表格として、ラ・リーガにはイケル・ムニアイン(アスレティック・ビルバオ)という格好のお手本がいる。

 アザールにもその資質はあるだろう。しかし、つねに結果を求められ、熾烈な競争を勝ち抜かなければならないマドリーでその時間と環境を享受できるかと考えると、はなはだ疑問だ。

 今冬はマドリーに留まりそうな雲行きだが、状況が劇的に改善されない限り、今夏はいよいよ退団の線が現実味を帯びてきそうだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

【PHOTO】2022年冬の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事