ユベントスの前線がより攻撃となるか否かはトップ下獲得の有無次第

2015年07月27日 片野道郎

調整が進んでいるドルトムントに敗れたことは何ら問題はなし。

ドルトムント戦は敗れるも、まだチーム作りが始まったばかりのユーベ。8月8日に上海で行なわれるイタリア・スーパーカップ(対ラツィオ)で、“本当の”新チームが見られるのではないだろうか。 (C) Getty Images

●ユベントス 0-2 ○ドルトムント@ザンクト・ガレン(7月25日)

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 テベス、ピルロ、ビダルが抜けたユベントスは、キャンプ入り10日目のこの試合が、新チームの実質的なお披露目となった。
 
 ピルロの定位置だったアンカーにはマルキージオが入り、前線は1トップ+2トップ下(4-3-2-1)という構成となった。
 
 昨シーズンの基本形が、2トップにテベス、モラタというダイナミズムを備えたFW2人、トップ下に純粋なMFであるビダルだったのに対し、今シーズンは1トップに基準点型CFのマンジュキッチ、トップ下にモラタ、ディバラというダイナミックなFW2人を並べた、より攻撃的な布陣となっている。
 
 ただしユベントスは、純粋なトップ下の獲得に動いており(第一候補はシャルケのドラクスラー)、最終的には昨シーズンと同じ4-3-1-2が基本システムになるものと思われる。
 
 対戦相手のドルトムントの方がキャンプ入りが早く(シーズン開幕も早い)、コンディションも上がっていることもあり、試合は終始ドルトムントのペースとなった。
 
 SBが故障明けのカセレス、中盤が19歳のテージョというユベントスの右サイドを、ドルトムントがムヒタリアンとシュメルツァーのコンビネーションで再三崩してチャンスを作り、押し込んだ。前半45分でユベントスの前線3人は、シュートを1本も打てずに終わっている。
 
「昨シーズンは、最後にカウンターからゴールを喫して終わった。今シーズンも同じ形で幕を開けることになった」と語るユベントスのアッレグリ監督だが、0-2という結果はさほど重要視していないようだ。
 
「敗北が苦々しいのはいつだって同じだが、まだトレーニングを始めたばかりだし、今日はピッチに若手も多かった。良いトレーニングになったと思う。もっとボールを支配できたかもしれないが、これだけ相手からの圧力が強く、こちらのコンディションも上がっていない状況ではそれも難しい。故障者が出なかったことが重要だ」
 
文:片野道郎
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