FIFA最優秀選手を受賞したレバンドフスキは、なぜ33歳でゴールを量産できるのか。周囲の証言から読み解く【現地発】

2022年01月21日 中野吉之伴

本人がFIFA最優秀選手の1位に投票した選手は?

33歳となったいまもゴールを量産し続けているレバンドフスキ。(C) Getty Images

 バイエルンのポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキがFIFA最優秀選手に選出された。

 昨シーズンは、破るのは不可能だと思われていた故ゲルト・ミュラーのブンデスリーガ年間最多ゴール記録(40得点)を更新する前人未到の41ゴールを達成。そんな「夢に思うことさえもなかった」と本人が述懐する偉業を達成したほか、2021年に重ねたゴールの数は59。平均すると、69分に1点の割合でゴールを決めている。

 文句なしの活躍を見せてきただけに、ポーランド首相のマテウシュ・モラウィエツキも「他の結果になるなんて一瞬でも考えた人はおそらく一人もいなかっただろう」と母国のスーパースターの2年連続受賞を確信しきっていた。

「非常に名誉なことだと受け止めている。本当にありがとう。とても誇りに思っているし、素晴らしい気持ちでいっぱいだ」

 レバンドフスキは、そう喜びを表現し、バイエルンのオリバー・カーン代表取締役は、「ロベルトは不世出の選手だ。一つの頂に到達したかと思ったら、もう次の頂に到達している」と最大級の称賛を送った。
 
 ゴールへの嗅覚とフィニッシュワークの精度は他の追随を許さないレベルにあり、身体の使い方には無駄がなく、得点を生み出すプレーのイメージが非常に豊富だ。そして、エゴイスティックすぎたりもしない。

 ユリアン・ナーゲルスマン新監督の下でも、味方のシュートチャンスを作り出すプレーが多く、相手が予測できない巧みなパスから何度も味方の決定機を演出している。そんなレバンドフスキが、ポーランド代表キャプテンとして今回のFIFA最優秀選手の投票で、1位にイタリア代表のジョルジーニョをあげていたのは興味深い。

「もちろん僕は特にオフェンシブな選手に目を向けているけど、ジョルジーニョが勝ち取ったものは非常に多くの意味を持つものだ。ボランチの選手として、重要なゴールも決めている。彼がチェルシーとイタリア代表で成し遂げたことは本当にすごい」とその理由を明かしている。チームの勝利に必要な選手という視点がそこには確かにあるのだ。

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