新生横浜FCで中村俊輔への期待感。“ハイテンポ、ハイスピード”の戦術で「自分の色を出せるのが良い選手」

2022年01月20日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「最初の時期はそれが大事。みんなトライしてのミス」

四方田新監督のもと、新たなスタイルに取り組む横浜FC。そのなかで俊輔がどんなプレーを見せるか楽しみだ(写真は21年時)。写真:徳原隆元

 和歌山でキャンプを張る横浜FCが1月20日、オンライン会見を実施。画面には、今季でプロ26年目を迎える中村俊輔が登場した。

 クラブの公式SNSでは、トレーニングマッチなどで躍動する姿が伝えられている。日々の練習では「ワンタッチでリターンなしっていう練習がずっと続いている」という。「みんなそれに対応する毎日で、頭と身体を動かす感じ」だ。

 チームは今季、新監督に四方田修平を招聘。札幌での監督時代にはJ1昇格と残留に導く手腕を発揮し、昨季までの4年間は"ミシャ"ことペトロヴィッチ監督のもと、ヘッドコーチを務めていた実績ある指導者だ。

 俊輔自身、「マリノスの時にミシャさんのサッカーはすごく嫌だった」と回想する。苦戦したからこそ、「(ミシャを)よく知る方が監督としてきた。チャンスだなと思います」と期待を口にする。

 キャンプインから1週間が過ぎた。新監督が目指すスタイルが少しずつ落とし込まれている過程で、「それに合わしつつ、自分の色を出せるのが良い選手」と語る。

「シャドーなら、フリックして、ダイレ(クト)でスルーパスや3人目の動きとか。ボランチなら、外からのボールを大きくサイドチェンジとか」

 四方田監督も「やはりラストパスは凄い。面白いなってところに、きれいにスルーパスを通してみせる。まだまだ衰えていない。勝負を分けるところで活躍してくれれば」と俊輔の実力を認めている。
 
 取材当日には、キャンプで2回目の練習試合が行なわれた。「ハイテンポ、ハイスピードなところを目指しながらアグレッシブにやっていきたい」(四方田監督)というビジョンが掲げられているなかで、実戦で俊輔はどんな感触を掴んだか。

「出来は良くなかったと思う」。もっとも、それは想定内のことなのだろう。

「みんな意識しすぎて、ドリブルすればいいのに、ワンタッチでミスる部分とか。でも、監督が求めているのは、そういう意識づけ。最初の時期はそれが大事。みんなトライしてのミス」

 プレシーズンはまだ始まったばかり。トライ&エラーを繰り返し、戦術の練度を高めるチームとともに、俊輔もコンディションを上げていくはず。43歳を迎えてもなお、非凡なテクニック、優れた戦術眼、サッカーへの貪欲な姿勢も健在。J1昇格を目指すチームで、今季も重要な戦力になりそうだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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