【女子アジア杯展望】なでしこジャパン、ハンデを乗り越え3連覇なるか! 注目は東京五輪組と新戦力の競争

2022年01月20日 西森彰

岩渕のグループステージ出場がほぼ絶望に…

女子アジア杯の予想フォーメーション。東京五輪時の主力選手をレギュラーに置いた。(C)SOCCER DIGEST

 AFC女子アジアカップが、いよいよ1月20日に開幕を迎える。日本女子代表(なでしこジャパン)は、グループステージで21日に初戦のミャンマー戦、24日にベトナム戦、27日に韓国戦へ臨む。果たして大会3連覇を飾ることはできるのか。2023年女子ワールドカップの出場権も懸かる重要な戦いの注目ポイントを紹介する。

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 2014年にアジア杯制覇を果たした佐々木則夫女子委員長、2018年に優勝した高倉麻子前監督のチームにあって、今大会の指揮を執る池田太監督のチームに足りないものは準備期間だ。そのなかでも、チームとは関係のない事情で、アクシデントが連続している。

 昨年11月に行なわれた欧州遠征では、天候による女子W杯予選日程変更のあおりを受け、主力メンバーの多くが欠場したオランダ代表との対戦となった。

 また新型コロナウイルスにも相変わらず悩まされている。12月に予定されていた代表活動は中止。今大会直前の合宿でも、最後の2日間に予定されていた男子チームとの合同トレーニングが取り止めに。さらに岩渕真奈は新型コロナ陽性となり、グループステージの出場がほぼ絶望となった。
 
 そうした状況を乗り越えるために、どう戦うか。インドに渡る直前の国内合宿で池田監督は、対戦相手への対策ではなく、選手のコンディション状況把握などを含めたチームの強化に専念。最終日にはサーキットトレーニングの一環として、マルチボールを準備し、1本あたり5分程度と短い時間で、息をつく暇もない4対4+GKのミニゲームを行なった。

 今大会は中2日、3日のスケジュールで、各チームの我慢比べとなりそうな予感。直前合宿で選手にゴールを強く意識させたシュート練習が、じりじりするような展開の試合で、勝利の扉を開く最後のカギになるかもしれない。

 グループステージの対戦相手は欧米ほどのレベルではないかも知れない。ただ日程や不慣れなピッチコンディションなど、条件面では女子W杯以上の過酷さも伴う。

 そうしたなかで、欧州遠征で見せたような激しいプレスをどれだけ続けられるか。あるいは、時間帯によってクレバーに強弱を使い分けるか。中と外の使い分けを含めて、欧州遠征以降、変化してきた部分もありそうだ。チームとしての進化も興味を呼ぶ。
 

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