「今年は守備が弱い」に奮起!殊勲のヘッド2発、青森山田DF丸山大和の際立つ勝負強さと枯れていた試合後の声

2022年01月08日 安藤隆人

シーズンを通じて際立っている丸山の得点力。勝負どころでヘディング弾を決める

丸山はゴール前での勝負強さと堅実な守備で勝利に貢献した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権 準決勝]青森山田6-0高川学園/1月8日(土)/国立競技場

「ここぞ」という試合で必ずゴールという結果を残すのがCB丸山大和(3年)だ。選手権準決勝・青森山田vs高川学園の一戦で、青森山田は開始早々の3分に先制をするが、それ以降は高川学園の堅い守備を攻めあぐねていた。しかし、24分に左CKを得ると、MF藤森颯太(3年)のキックに対し、丸山がファーサイドに飛び込んでドンピシャヘッドを突き刺し、貴重な追加点を奪った。
 
「早い段階で2点取れたことで自分たちの流れだなと思えた」と試合後、MF松木玖生(3年)が語ったように、このゴールがもたらす意味は大きかった。これで完全に勢いに乗った青森山田は高川学園を圧倒し、追加点を重ねた。

 4-0で迎えた85分には、丸山が再び左CKから松木が蹴ったライナーのボールを、完全にマークを外した状態で飛び込んで強烈なヘッドをニアに突き刺し、2ゴール目。丸山の活躍で6-0の大勝に大きく貢献をした。

 179cmとセンターバック(CB)としては決して大柄ではないが、彼の凄まじさは身体能力の高さにある。空中での滞空時間が長く、上半身を弓矢のようにしならせてから放つヘッドの威力と、そのコントロールの正確性は群を抜く。さらに空間把握能力とボールの軌道を見極める目を持っており、セットプレーにおける彼の存在感は非常に大きい。

 今大会の山場のひとつとなった3回戦の阪南大高戦でもMF松木玖生のキックをヘッドで合わせて、決勝弾をマークしている。今大会だけではない、プレミアリーグEASTでも全て頭で3ゴールをマーク。なかでも第9節のFC東京U-18戦では0-1の状況でロングスローを直接頭で合わせて同点ゴールを突き刺し、勝点1を掴み取った。

 インターハイでは初戦からクロスからのヘッドで2戦連発弾。圧巻は米子北との決勝で、前半立ち上がりに失点を喫する苦しい展開だったが、後半34分に左ロングスローからゴール前でMF小原由敬(3年)のシュートを頭で強引に押し込んで同点にすると、延長後半アディショナルタイム。ほぼラストプレーとなった左CKで、藤森のキックが放たれた瞬間、丸山は猛然とニアサイドにダッシュをして、軽やかにジャンプをすると矢のようなヘッドをゴールに突き刺した。PK戦も覚悟をしていた中で生まれた土壇場の逆転決勝ゴール。チームを2度目のインターハイ優勝に導く立役者となった。
 

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