[高校選手権２回戦]帝京長岡３-２神村学園／12月31日（金）／等々力陸上競技場

　意外性のあるプレーの連続に何度も観衆がどよめいた。

　神村学園の２年生コンビ、ＦＷ福田師王とＭＦ大迫塁が注目された選手権２回戦で、等々力陸上競技場に訪れた観衆の目をくぎ付けにしたのは、帝京長岡のＦＷ渡辺祐人（３年）だった。

　まずは前半16分、右サイドのＭＦ佐々木奈琉（３年）からロングスローを受けると、なんとそのままダイレクトボレー。相手DFを背負いながら、少しバックステップを踏み、難しいシュートを叩き込んだ。まさかのタイミングで飛んできたボールに相手ＧＫも反応し切れていなかった。

　豪快ショットを叩き込んだかと思えば、今度は繊細なテクニックを見せつける。前半32分、ペナルティエリア手前の混戦でこぼれたボールを拾った渡辺は、足裏を使った巧みなダブルタッチで相手DFをかわし、トーキックシュート。これまた相手GKのタイミングを外した技ありの一発だ。

　超絶ボレーに魅惑のドリブルと、創造性溢れるプレーで観衆を沸かした渡辺。頼れる得点源を古沢徹監督も「チームの大黒柱」と称していた。

　ただ、幸先の良いスタートを切った渡辺は、２ゴールでは満足せず、高い目標を見据えていた。

「試合前から絶対に勝ちたい、自分が得点王になりたいと、ずっと思っています。他のチームでもハットトリックや、点を決めている選手も多かったので、絶対に自分が点を決めたい気持ちは強かったです。歴代得点王の記録を破るためには、今日の２点では足りない。次の試合では今日よりも点を取れるように頑張りたいです」

　桐光学園との３回戦ではどんなゴールを見せてくれるのか、帝京長岡の渡辺に注目だ。

取材・文●志水麗鑑（サッカーダイジェスト編集部）