「昌平戦を忘れるな」。苦い思い出を払拭した高川学園。前回大会を知る林晴己、中山桂吾の得点で初戦突破!【選手権】

2021年12月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「厳しく、心技体において求め続けた」(江本監督)

1回戦で星稜と対戦した高川学園。2度のリードを追いつかれる展開も、最後は林(10番)、中山の2得点で4-2と突き放し、2回戦に駒を進めた。写真:滝川敏之

[高校選手権1回戦]星稜 2-4 高川学園/12月29日(水)/ニッパツ三ツ沢球技場

 合言葉は「昌平戦を絶対に忘れるな」だ。

 昨年12月31日、高川学園は選手権1回戦で昌平と対戦。前半7分に中山桂吾、後半29分に清永和暉が得点し、2点のリードを奪う。だが、後半40分に1点を返されると、終了間際に同点に追いつかれる。そしてPK戦は7-8。悔しい敗戦を喫した。

 迎えた今大会、高川学園は星稜との初戦で、前半8分にセットプレーから林晴己が先制点をゲット。同38分に同点弾を食らうも、後半10分に、昨年の昌平戦でも1得点の中山がPKを確実に沈めて再びリードを奪う。だが、同33分に失点。スコアは2-2に。

「追いつかれた時には、自分も(昨年の昌平戦が)頭によぎった」

 前回大会でも10番を背負い、ピッチに立って戦っていた林の脳裏に記憶がよみがえる。その一方では「成長した姿を見せるためには、自分が点を取って勝たせることが一番だと思った」。

 2失点目の5分後、スコアボードが動く。決めたのは、高川学園のナンバーテン。敵陣ペナルティエリア内に侵入し、対峙する敵の股の間を射抜くシュートを突き刺す。
 
 さらにその1分後、林の巧みなヒールパスから中山が正確な左足シュートを流し込み、4-2と相手を突き放した。

「本当に悔しくて、この1年間、そのこと(昌平戦)を忘れるな、とやってきた。辛いこと、キツいこともあったんですけど、チームで乗り越えて、頑張ってこれた」(中山)

 苦い思い出を払拭する会心の勝利。江本孝監督が振り返る。

「チームの立ち上げ当初から、"昌平戦、絶対に忘れるな"と。隙を出していなくても、なにかしら、そういうものが見えてしまう部分があるかなというふうに思っていたので。それは1年間、厳しく、心技体において求め続けた部分かなと思います」

 その成果を示して初戦突破。大晦日に岡山学芸館と相まみえる2回戦に向けて、指揮官は「目の前の試合を最高の形で戦えるための準備を。今からしっかりとケアして、戦略、戦術をしっかりと持って準備して、明後日に臨みたい」と表情を引き締めた。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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