【選手権】「最近キレが良くなった」阪南大高の“ヴィニシウス”田中大翔が実感する自身の進化

2021年12月29日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「自分が先制点を取れて良かった」

鋭いドリブル突破から先制ゴールを挙げ、阪南大高の2回戦進出に大きく貢献した田中。写真:榎本誉士

[高校選手権1回戦]丸岡0-3阪南大高/12月29日(水)/味の素フィールド西が丘

 最後まで攻勢を貫いた阪南大高が相手との差を見せつけ、初の2回戦進出を決めた。

 濵田豪監督が「チャンスを決め切れなかったので、嫌な展開になった」と口にしたように、阪南大高は立ち上がりから主導権を握りながらも、何度もシュートがクロスバーに阻まれるなど、決定機を決め切れずにいた。

 そんななか試合を動かしたのは、田中大翔だった。前半13分、左サイドでボールを受けると、ボディフェイントと細かなタッチでDFをかわし、ペナルティエリア左から右足を振り抜いた。グラウンダーのシュートが逆サイドのネットに突き刺さり、先制に成功したしたのだ。

 このゴールで勢いに乗った阪南大高は、その9分後に石川己純、後半開始早々にはエース鈴木章斗がネットを揺らし、3-0の完勝を収めた。
 
「立ち上がりにチャンスがいっぱいあって、自分も含めて3本くらい(シュートが)クロスバーにあたって決め切れなかったので、自分が先制点を取れて良かったです」

 安堵の表情を浮かべた田中はこの試合で、何といってもドリブル突破が光った。左サイドから積極的に仕掛け、独特なリズムの持ち出しで相手を翻弄し、多くのチャンスを演出。自ら「最近はキレが良くなった」と自画自賛するドリブルで、何度も観客の拍手を誘った。

「以前から相手との間合いが近いと言われていた。その部分に対しては細かいタッチで間合いを詰められないようにして、相手と距離を開けて仕掛けることができるようにりました」

 アドバイスをしっかりと聞き入れ、試行錯誤しながら作り上げた自分のドリブルの形。日ごろから映像を観て参考にしているのは、レアル・マドリーのヴィニシウス・ジュニオールだと言い、「カットインがうまくて、あの選手もタッチが細かくて、相手からしても取りづらい」と目を輝かせる。

 阪南大高の次なる相手は奈良育英。奈良県の名門相手にも得意のドリブルは通用するのか――。田中のプレーに注目だ。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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