【J1採点&寸評】FC東京×山形|太田と梶山を怪我で失う非常事態。呪われたFC東京がホームでスコアレスドロー

2015年07月20日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

フラフラになりながらも最後まで戦い抜いた高橋はプロの中のプロ。

【警告】FC東京=中島(3分)、サンダサ(61分)、高橋(72分)、森重(75分) 山形=なし
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】高橋秀人(FC東京)

【試合内容】
 立ち上がりから勢いよく攻め込んだのは、アウェーの山形。ディエゴ、R・フランク、宮阪らの連係でゴールに迫り、5分には宮阪がFKから際どい一撃を放った。
 
 一方、ペースを掴めないFC東京は15分過ぎに4-4-2から4-3-3に変更。すると、22分には前田のスルーパスから中島がGKと1対1になる絶好機が生まれた。しかし、梶山と太田を怪我で前半に失うアクシデントに見舞われ、後半は再び山形に主導権を渡してしまった。
 
 流れを取り戻した山形も、プレスと運動量を武器にじわりじわりとFC東京のゴールに迫ったが、結局は最終局面で詰めを欠き……。双方ともゴールがないままタイムアップを迎え、痛み分けに終わった。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・3節
 
【チーム採点・寸評】
FC東京 5.5
アクシデントと暑さに苦しみながらも、「守備が崩れなかったのは収穫」(米本)。22分の決定機を決め切れなかったのが悔やまれる。
 
山形 6.5
前節の浦和戦に続き、第1ステージ2位のFC東京ともスコアレスドロー。内容もほぼ互角で、決して"弱者のサッカー"ではなかった。

【FC東京|採点・寸評】
GK
1 権田修一 6
リーグ戦では8節の新潟戦以来、実に12試合ぶりの零封。被決定機が少なかったとはいえ、キャッチング、キックとも質は高かった。
 
DF
2 徳永悠平 6
マラソンランナーのように根気よく走り抜き、"鉄人"の貫録を見せつけた。小さなミスがあったとはいえ、そのタフさは化け物だ。
 
3 森重真人 6
山形の圧力を冷静かつ力強いディフェンスで弾き返した。前節の新潟戦で不可解なPKを取られた悔しさを糧に、代表戦士の意地を見せた。

6 太田宏介 5.5
前半のアディショナルタイムにセンターサークル付近でいきなり倒れ込み、そのまま交代。見せ場を作れないままピッチを後にした。
 
29 吉本一謙 6
前半は、何度も動き直すディエゴとR・フランクの対応に手を焼いた。それでもカッとならず、後半に入ってからは徐々に持ち直した。

MF
4 高橋秀人 7
後半途中に潰されてピッチ外で治療を受けながらも、そこでダウンせずファイトした。フラフラになっても戦い抜いたスピリットに拍手! そのプロ魂に敬意を表してMOMに。
 
7 米本拓司 6
右サイドハーフからインサイドハーフとポジション変更を苦にせず、一定のパフォーマンス。シュートへの意識もこの日はだいぶ高かった。
 
10 梶山陽平 5.5
30分に松岡のスライディングタックルをモロに受けてしまい左足を負傷。その数分後に自らスパイクを脱いで、担架で運ばれた。
 
39 中島翔哉 5.5
今季J1初先発。足もとの柔軟なテクニックは光るも、決定的な仕事は……。22分にGKと1対1になった絶好機はやはり決めたかった。
 
FW
18 石川直宏 6
中島をフォローする形でセカンドボールを拾った。最大の見せ場となった80分にボレーシュートを決めていれば、間違いなくMOMだった。
 
FW
20 前田遼一 5.5
中島へのスルーパスはまさに絶妙。ただ、後半に入ると守備に追われる時間帯が増え、最前線のサンダサと絡む回数は限られてしまった。
 
交代出場
MF
22 羽生直剛 5
前線と最終ラインをつなぐ潤滑油になれず、山形に主導権を譲り渡す一因に。ポジティブに映ったのは、49分の綺麗なミドルだけか。
 
DF
5 丸山祐市 6
ディエゴと互角に渡り合う身体能力が素晴らしかった。左足の丁寧なフィードで組み立てにも関与。攻守に小さくない貢献を果たした。
 
FW
21 サンダサ 5.5
強靭な体躯を活かしてキープ。潜在能力の高さを垣間見せたが、ゴールへの道は遠い。前田や石川とのコンビネーションを磨きたい。
 
監督
マッシモ・フィッカデンティ 5.5
梶山と太田の怪我で前半だけでカードを2枚消費したのは誤算。高橋のアクシデントを考えれば、結果的にサンダサの投入は早かった。

次ページ宮阪は“古巣”を相手に気合い十分のパフォーマンスだった。

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