【岩本輝雄】完成度はまだまだ。だからこそ、来季のロドリゲス体制2年目のレッズは楽しみでしかない

2021年12月20日 岩本輝雄

宇賀神、槙野が得点。ドラマティックな優勝だった

今年の天皇杯は浦和が優勝。当日の国立の雰囲気も最高だった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 今年の天皇杯は、レッズが優勝したね。1点リードで迎えた90分に同点に追いつかれるも、その3分後に途中出場の槙野が決勝点をねじ込んだ。

 槙野もそうだし、2-0で勝利したセレッソとの準決勝で先制点を決めた宇賀神は、今季限りでレッズを退団することが決まっている。そういう選手が、最後にタイトル獲得に貢献。劇的なゴールで決着がついた決勝のゲーム内容も含めて、ドラマティックな優勝だったと思う。

 試合会場となった国立には、約5万7000人の観客がつめかけた。僕もスタンドで観戦したけど、やっぱりこれだけお客さんが入ると、雰囲気は最高だね。しかも、日本で一番熱狂的と言われるレッズサポもいる。改めて、その迫力が伝わってきたし、選手たちを力強くサポートしていたんじゃないかな。

 ロドリゲス監督は就任1年目にして、タイトルをチームにもたらしてみせた。これも本当に素晴らしいこと。レッズのサッカーは間違いなく、クオリティが高まっているように映る。ひとつの形がしっかりと落とし込まれていると思う。
 
 それにしても、近年はスペイン人監督がJリーグで存在感を見せているよね。ロドリゲス監督はヴォルティス時代にJ1昇格を果たしているし、ロティーナ監督はエスパルスでうまくいかなかったけど、セレッソ時代やヴェルディ時代には確かな手腕を発揮していた。FC東京の新監督に就任したプッチ監督も、アルビレックスで見応えあるモダンなサッカーを披露。スペイン人指揮官と日本人選手とは相性がいいのかもしれないね。

 個人的には、スペイン人指揮官は1年目に戦術を落とし込んで、2年目はそれなりの成果をピッチ上にもたしている印象がある。

 その意味では、1年目から結果を出したロドリゲス監督はやっぱり凄い。現時点では、サッカーの完成度は決してそこまで高くはないけど、だからこそ、来年はもっと良くなるはずだし、楽しみでもある。J1の選手はやっぱり理解力も表現力も高いし。強いレッズ、再び――そこに向かって勢いがつくような天皇杯優勝だったと思う。

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