レンタルのオファーをことごとく拒否。伸び悩むバルサMFリキ・プッチの現在地。熱狂的なシンパも存在するが…【現地発】

2021年12月18日 エル・パイス紙

ガットゥーゾが「スペクタクルだ」と称賛

すでに22歳になったプッチ。キャリアが停滞している感は否めない。(C)Getty Images

 リキ・プッチのスタンバイが続いている。

 バルセロナは何も手をこまねいてきたわけではない。実際、「若手に必要なのは継続的な出場機会を得ること」と関係者が語るようにレンタル移籍を持ち掛け、サラゴサ、ポルト、PSVから獲得の打診もあった。しかし過去を遡れば、レンタル移籍がプラスに働かなかったケースもあった。

 グラナダとラス・パルマスに2年続けてレンタルで移籍したが、芳しい成果をあげられず、そのままバルサでの居場所を失ったセルジ・サンペール(現ヴィッセル神戸)もそのひとりだ。そんな背景もあって、オファーを受けてもリキ・プッチはバルサで成功したいの一点張りで、こうしてエルネスト・バルベルデ、キケ・セティエン、ロナルド・クーマン、そして現在のシャビと監督が代わっても、ベンチを温める日々が続いている。
 

 プッチがトップチームでお披露目を果たしたのは2008年8月のプレシーズンツアーだった。北米遠征中に対戦したトッテナム戦で、同年5月に退団したアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)が着けていた8番を背負ってプレー。数日後のミラン戦後には、敵将のジェンナーロ・ガットゥーゾから「スペクタクルだ。彼を含めてバルサの若い選手は、サッカーを感じることができる。詩的な香りがする」と高い評価を受けた。

 しかし、当時のバルベルデ監督は、「若手の起用は慎重に行うべきだ。我われは簡単に感動しすぎる」とニューアイドルの誕生に沸く周囲に釘を刺し、実際そのシーズンも翌シーズンもプッチはBチームでプレーし続けた。

 そんななか、冬の移籍市場が開くのを待って2部のサラゴサからレンタル移籍の打診があったが、前述したようにプッチは拒否。直後にバルベルデからキケ・セティエンに監督が交代したことで状況はいくらか好転し、継続的に出場機会を得た時期もあった。

 しかし、シーズン終了後に新たに監督に就任したクーマンは当初から、「将来性はあるが、レンタル移籍したほうがいい」と明言。戦力としてカウントされなかった。その移籍先候補としてポルトとPSVが手を挙げるも、プッチは再び残留を選択。案の定、クーマンの下では出番は限られ、その状況は先月、シャビが後任に就いても大きく変わってはいない。

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