「今は選手権も考えられない」神村学園、プレミア昇格逃しショックの涙。プロ注目の2年生司令塔が悲痛な胸の内を激白

2021年12月11日 安藤隆人

エースストライカーの福田は怪我の影響で出場せず

プレミアリーグ昇格を逃し、ショックを受ける神村学園の選手たち。写真:安藤隆人

 タイムアップのホイッスルが鳴り響いた瞬間、神村学園の選手たちはその場に倒れ込み、全員が涙を流していた。

 高円宮杯プレミアリーグ参入プレーオフのEブロック1回戦。神村学園は2つ勝てば悲願の初昇格となったが、JFAアカデミー福島U-18の前に87分に失点を喫し、0-1の敗戦。ここで目標が断たれることとなってしまった。
 
「プレミアリーグに上がりたかった」

 声を震わせながらこう答えたのはプロ注目のMF大迫塁。2年生でもある彼は、来年の自身が戦うステージに大きく影響するこの結果にショックを受けていた。それだけではない、後輩たちにプレミアリーグ昇格をプレゼントしようと必死で戦っていた3年生の姿も、彼の涙を生んだ1つの要因だった。

「今の3年生は(神村学園中等部の)3年の時に九州リーグから県リーグに降格をさせてしまったという気持ちを持っていて、最後に昇格を手にして僕らに託そうと本気で思ってくれていた。実際にみんなが気持ちのこもったプレーをしていたのに、僕は思うようなプレーができなかった。悔しいです」

 この試合、同じ2年生のエースストライカーである福田師王は怪我の影響でベンチスタートだった。その中で大迫はゲームメーカー兼フィニッシャーとしての役割を担ったが、前半こそチャンスは作れども、後半は思うようにボールに絡めず、終盤は相手の猛攻の前に守勢に回った。

 リードを許してからは福田の投入もあるかと思われたが、「まだ万全ではない状況で無理をさせるわけにはいかなかった。ベンチに入れましたが、起用するつもりはありませんでした」と有村圭一郎監督が語ったように、未来ある選手の負荷を考えて投入されぬまま、タイムアップの時を迎えた。

 試合後、ピッチサイドで蹲って泣きじゃくる選手たち。大迫も両手を突いて大きく空を見上げて息を吹き出すと、頭を抱えてしばらく動けなかった。

「プレミアでの1年とプリンスでの1年は個人としても、チームとしても成長の度合いは違ってくるので、本音を言うとプレミアでやりたかった」
 
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