異論は認めず!“my”ベスト11|クォン・スンテのプロフェッショナル精神は後世に伝えたい【記者の視点】

2021年12月09日 内田知宏

大迫の価値はむしろ高まっている

内田記者選定の「myベストイレブン」。

 先日のJリーグアウォーズで発表された今季のベストイレブン。それとは一線を画すような11人を選ぶとするなら、どんな顔ぶれになるか。活躍度は込みだとして、印象的なプレー、人柄、将来性、単純な好み……選定基準はなんでもアリ。報知新聞社の内田知宏記者に、独自の視点で今季の「myベストイレブン」を選定してもらった。異論は、認めない。

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FW 大迫勇也(神戸)
欧州よりもFW起用に執着してのJ復帰。日本代表でのプレーでは、世間から衰えを指摘される年齢に入ってきたが、味方にはチャンスを、敵には守る技量を、見る側には日本人が届かないだろうと思われていた1トップ像をもたらしてくれる。日本サッカーに対する価値はむしろ高まっている。

FW 大久保嘉人(C大阪)
東京Vで振るわなかった昨季に引退せず、C大阪で戦力として働いた今季で引退。荒々しさがカードの枚数や反感につながった時代もあったが、勝負に真剣な姿勢の裏返しだと分かると、頼もしくて仕方がなかった。「結果が出なければ引退」と臨んだ今季まで、感情を揺さぶられる数少ないストライカーであり続けた。

MF 旗手怜央(川崎)
DFの選手に、守っていて何が一番嫌かと問うと「倒れない、倒せない選手」と返ってくることが多い。まさにそんな選手。低重心で相手にぶつけられても倒れない、ボールを離さない。体格に恵まれた選手よりも、そうでない選手が踏ん張る姿には勇ましさを感じ、心に刻まれる。川崎の止まらない攻守に、欠かせなかった。

MF 荒木遼太郎(鹿島)
ドリブルを始める姿勢は本山雅志のシルエット。狭いエリアでのボールタッチは香川真司をほうふつとさせる。アクシデントを含めて、変化がなければなかなかゴールが生まれない時代。プロ2年目にして、何度も作り出していた。きっと海外へと飛び立つ日も近いだろう。今のうちに目に焼き付けておきたいと思わせる選手だ。

MF 三竿健斗(鹿島)
ホーム最終節、サポーターへ向けたスピーチが印象的だった。「サッカーの初歩的なことだけを追求しても、タイトルを取り続けられるチームには、僕はなれないと思います」。真意は分からないが、相馬直樹監督の指導を批判したとも受け取れるメッセージ。発する時と場所を選べ、批判は良くないという意見もあるだろうが、鹿島には「勝てる秘訣がある」と思って移籍してきた選手の苦悩と覚悟が感じられた。これを聞いてから今季のプレーを見返すと違った見え方となる。
 

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