【移籍市場超速報】こじれるサラーとフィオレンティーナの関係&インテルはヴォルフスブルクのペリシッチにオファーも…

2015年07月03日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

サラーは期限を過ぎても明確な意思表示をせず。

態度を明確にしないサラーに業を煮やしたフィオレンティーナ。関係がこじれている。 (C) Getty Images

【フィオレンティーナ】去就の意思表示をしないサラーと決裂へ
 
 チェルシーからフィオレンティーナにレンタルされているエジプト代表FWモハメド・サラーは、6月30日の期限を2日間過ぎても新シーズンの去就について明確な意思表示をしていない。クラブはこの状況に対して苛立ちをあらわにしており、両者の関係は事実上の決裂状態に入った。
 
 チェルシーとのレンタル契約は、6月30日までにフィオレンティーナが100万ユーロ(約1億4000万円)を支払うことによって自動的に更新されるという内容。ただしそれには選手本人の同意が必要という付帯条件がある。
 
 フィオレンティーナはその同意を取り付けるべく代理人と何度も話し合いを持ち、選手サイドの要求を受け入れる形で年俸を220万ユーロ(約3億円)から250万ユーロ(約3億5000万円)、さらには300万ユーロ(約4億2000万円)に引き上げるオファーを出した上、さらに1年後に設定されている買い取りオプション(1800万ユーロ=約25億2000万円)を今夏に前倒しして完全移籍で獲得する意思を示すなど、最大の努力を見せた。
 
 しかしサラーは、代理人との最後の会談(7月1日)から24時間が経ち、クラブ側が示したデッドライン(2日午後8時)が過ぎても最終的な意思表示をしていない。
 
 フィオレンティーナは、サラーから意思表示がないのは現状を追認したものと解釈して(チェルシーとのレンタル延長はすでに書類上も成立している)、年俸アップのオファーを取り下げ昨シーズンと同じ条件で選手登録し、新シーズンの始動(メディカルチェックとプレシーズンキャンプ)に招集するという強硬手段に訴える意向を固めている。
 
 これに対して選手サイドはおそらく、レンタル契約の更新に同意していないことを盾にチェルシー復帰(とそこからの移籍)を要求する可能性が高い。場合によってはFIFAに提訴する可能性もある。
 
 サラーにはかねてからインテル、ミラン、ユベントス、ローマ、アトレティコ・マドリーが興味を示しているが、これらのクラブのうちどこかが背後で糸を引いているという可能性は、今のところそれほど高いようには見えない。とはいえ状況がきわめてデリケートになっていることは確か。今後の展開が注目される。
 
【インテル】ペリシッチ獲得に1500万ユーロをオファー
 
 クロアチア代表イバン・ペリシッチの獲得に動いているインテルは、ヴォルフスブルクに対してレンタル料150万ユーロ(約2億1000万円)、2016年の獲得義務1350万ユーロ(約18億9000万円)、計1500万ユーロ(約21億円)のオファーを送った。
 
 しかしヴォルフスブルクは、レンタル料の増額と獲得時移籍金の減額、そして総額の上積みを求めており、今後も交渉が続くことになる。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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