なぜ解任論が浮上していたクーマンは、クラシコ敗戦でも続投できたのか? 番記者が明かす“バルサの内情”【現地発】

2021年10月27日 ファン・ヒメネス(スペイン『AS』紙記者)

グアルディオラの復帰に好感触を得ていたが…

クラシコ敗戦でもクーマンが解任を免れた理由とは?(C)Getty Images

 ロナルド・クーマン監督の立ち位置はこの数週間で大きく変わった。一時は解任論が過熱し、若年層を中心にファンの批判が沈静化したわけではないが、ポジション的に強化され、それを示すようにクラシコの敗戦が進退問題に発展することはなかった。

 ジョアン・ラポルタ会長の希望は、シーズン終了まで続投することであり、チャンピオンズ・リーグのグループステージ敗退のような壊滅的な状況に陥らない限り、その方針を貫く構えだ。

 もっとも、これは決して両者の信頼関係の上に成り立った措置ではない。昨シーズン終了後からラポルタは何度も監督交代の可能性をほのめかしてきた。彼の心の中でまず引っかかっているのが、クーマンがジョゼップ・マリア・バルトメウ前会長が連れてきた人物であるという事実だ。

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 その一方でジョゼップ・グアルディオラの復帰を熱望し、しかも水面下でアプローチをかけて好感触を得ていた。しかしその数日後にマンチェスター・シティがチャンピオンズ・リーグ決勝戦でチェルシーに敗北。クラブの悲願を成就しないまま仕事を投げ出すことを嫌ったグアルディオラが断りを入れ、ラポルタの夢ははかなくも潰えた。

 有力な選択肢としてクラブ内外で認識されているシャビの招聘案は宙に浮いたままだ。最大のネックとなっているのが、対抗馬として会長選挙に立候補したビクトル・フォントとの深い繋がりだ。いうなればライバルの息のかかっていた人物であり、他候補のプロジェクトを"コピー"していると思われたくないラポルタは二の足を踏み続けている。

 さらにグアルディオラに次いで高く評価しているトーマス・トゥヘルは、チェルシーとの契約が残っており、現実味はない。つまるところ、他にも様々な名前がメディアを賑わせたが、ラポルタの頭の中にあったのはグアルディオラだけだった。後任人事に着手しようにも、手札を何も持ち合わせていなかったわけだ。こうして消去法的にクーマンの続投が決定し、新シーズンが始まった。

 しかし、これで終結とはいかなかった。ラポルタは舌の根も乾かぬうちにクーマンの戦術や用兵が説得力に欠け、バルサが必要としている監督ではないという不満をメディアにリーク。懇意にしている記者団とのオフレコ懇談で4‐3‐3の採用案を受け入れなければ、解任も辞さないと"脅迫"する 出来事も起こった。

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