【第2ステージ展望】G大阪編|史上初の「7冠」に向けて、“暫定得点王”の宇佐美がチームを牽引する

2015年07月05日

【第1S総括】「内容が悪いながらも勝ち切る」を支えた守備の安定感。

GKの東口がファインセーブを見せれば、丹羽と岩下のCBコンビが中央でボールを弾き返し、中盤では今野(15番)がボールを回収。強固な守備組織を構築している。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 
 J1第1ステージは浦和の無敗優勝で幕を閉じたが、前半戦の17試合を全18チームはいかに戦ったのか?
 
『サッカーダイジェスト』の各チーム担当記者が、6月27日で最終節を迎えた第1ステージを振り返り総括するとともに、第2ステージに向けた各チームの動きと見どころを解説する。
 
――◆――◆――
 
ガンバ大阪
第1S成績:4位 勝点:32 9勝5分3敗 24得点・13失点
 
ポイント1)第1ステージの出来を点数で表わすと?
 
80
 
 最終的に4位で終えたものの、浦和と最後まで優勝争いを演じるなど、リーグ戦を盛り上げる一助になった。真っ先に評価したいのは守備陣の踏ん張りだ。13失点はリーグ最少で、ひやりとする場面を作られても粘り強く対応。得点数はリーグ6位タイと突出した数字ではなかったが、守備の安定感が支えとなっていた。
 
 ただ、第1ステージを総括すれば「内容が悪いながらも勝ち切る」というゲームが多く、三冠王者としての力を誇示するには至らなかった。相手も"G大阪対策"を講じるため仕方ない部分もあるとはいえ、2トップへの依存傾向が強まっており、崩しとフィニッシュの局面においては課題が残る。
 
ポイント2)第1ステージのチームMVPは?
 
宇佐美貴史
 
 守備陣の奮闘も光るが、それ以上に貢献度の高かったのが宇佐美だ。代表にもコンスタントに招集されて注目度が急上昇するなか、相手の厳しいマークを掻い潜りながら13ゴールを叩き出した。得点ランクトップに立っており、"エースとしての役割"は十二分にこなしたと言える。
 
 もっとも、第1ステージ終盤はややガス欠気味で、それまでに比べると走行距離やスプリント回数は減少。代表活動も重なった影響だが、宇佐美の運動量が落ちた途端にチームの攻撃力も削がれており、結果的に宇佐美への依存度を露呈する形となったのは否めない。
 
ポイント3)第2ステージでの巻き返しや台頭が期待される選手は? 
 
阿部浩之、倉田 秋、大森晃太郎
 
 昨季、三冠獲得の原動力となったのは、前線でも最終ラインでもなく2列目だった。阿部、倉田、大森の3人を軸に回しており、攻守の切り替えや守備の献身性は目を見張るものがある。その半面、第2ステージで期待したいのは得点力の向上だ。
 
 昨季はこの3人で18ゴールながら、今季は阿部の1ゴールのみ。守備のバランスを取りながら、どれだけリスクを負って攻撃に出られるか。個の意識で改善できる部分もあるが、戦術にも大きく関わる点だけに、チーム全体としての見直しが必要になる。
 

次ページ【第2S展望】「バランスサッカー」は変わらず。ただ、2列目はテコ入れの可能性も。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事