【第2ステージ展望】柏編|レアンドロの穴をどう埋めるかが巻き返しの鍵を握る

2015年07月03日 小田智史(サッカーダイジェスト)

【第1S総括】内容に結果が伴わず、降格圏と4ポイント差に低迷。

攻撃的なサッカーがスムーズに浸透した半面、守備ではクロスへの寄せやセットプレーへの対応など、課題が浮き彫りとなった。 写真:田中研治

 J1第1ステージは浦和の無敗優勝で幕を閉じたが、前半戦の17試合を全18チームはいかに戦ったのか?
 
『サッカーダイジェスト』の各チーム担当記者が、6月27日で最終節を迎えた第1ステージを振り返り総括するとともに、第2ステージに向けた各チームの動きと見どころを解説する。
 
――◆――◆――
 
柏レイソル
第1S成績:14位 勝点:18 4勝6分7敗 22得点・25失点
 
ポイント1)第1ステージの出来を点数で表わすと?
 
40
 
 吉田新監督を迎えて臨んだ今シーズン、アカデミーから移植を図った攻撃的なパスサッカーはスムーズに浸透。第1ステージの平均ボール支配率は57.1パーセントを記録し、ボールを支配しながら相手ゴールに襲い掛かった。
 
 ただし、順調にグループステージを突破したACLとは対照的に、リーグ戦では8節から2009年以来となる7戦連続勝ち星なし。攻守が噛み合わず、勝ち切れない試合が続いた。
 
 想像を上回る苦戦の要因はやはり守備だろう。攻撃的なサッカーを掲げている分、失点のリスクが高まるとはいえ、ボールホルダーへの寄せが甘く、簡単にクロスを上げられて失点するシーンが散見された。
 
 特に、後半に総失点の約7割にあたる17点を失っており、90分間通してのゲームマネジメントがネックに。第1ステージは「足りなすぎる勝点」(吉田監督)で14位に終わった。
 
ポイント2)第1ステージのチームMVPは?
 
レアンドロ(FW
 
 足もとのテクニックや周囲との連動性は天下一品。ゴールを挙げるだけでなく(工藤と並ぶチーム最多タイの5得点)、前線でボールを収めてタメを作るなど攻撃の軸として君臨し、マークにつく相手に大きなプレッシャーを与えた。

ポイント3)第2ステージでの巻き返しや台頭が期待される選手は? 
 
小林祐介(MF
 
 インサイドハーフは大谷と武富がレギュラーとして牽引したが、ふたりが疲労蓄積や故障で欠場した際、吉田監督は若手を積極的に起用した。なかでも、小林はリーグ戦こそ出場2試合ながら、ACLラウンド16でチームをベスト8進出に導くゴールを挙げるなど、出場時のパフォーマンスはハイレベル。第2ステージでは武富がウイングへのスライド起用が濃厚なだけに、レギュラーを奪取するチャンスと言えるだろう。

次ページ【第2S展望】戦力ダウンは否めずも、“柏スタイル”を突き進む。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事