【鹿島】常勝軍団の面影はなし…。今こそ求められる若手DFたちの「リーダーシップ」

2015年06月28日 五十嵐創(サッカーダイジェスト)

集中すべき時間帯での失点で、試合の流れを掴み損ねる。

第1ステージで低迷した鹿島。今季は不用意な失点が多く、特に後半立ち上がりの安定感のなさが目立つ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 第1ステージを終えて6勝4分7敗。開幕前に優勝候補の一角に挙げられながらも、鹿島はまさかの負け越しでシーズンを折り返した。リーグ4位タイの27得点を挙げながら、一方で25失点はワースト5位タイ。ゴールを重ねても不用意に失点し、敗戦を重ねる悪循環から抜け出せなかった。
 
 なぜ、これほどまでに失点がかさんだのか。その要因は複数考えられるが、真っ先に挙げられるのが試合の流れをコントロールできなかったことだろう。
 
 鹿島の第1ステージの時間帯別失点を見ると、興味深い事実が浮かび上がる。前半(8失点)に比べて、後半(17失点)は倍増しているのだ。さらに、失点の内訳は46~60分が8失点、61~75分が4失点、76分~試合終了までが5失点と、後半立ち上がりの失点が目立つ。
 
 ハーフタイムを挟んで仕切り直そうとした直後に、これだけ失点していたら、試合の流れを掴めないのも当然だろう。実際に、今回の川崎戦も後半立ち上がりの失点で出端をくじかれ、結局2-3で敗れた。集中すべき時間帯の失点。これが、鹿島が敗戦を重ねた要因のひとつだ。
 
 また、「良い流れのなかでも、同点にされたりする試合がほとんどだった」と振り返る昌子の言葉もキーワードと言える。例えば、13節の浦和戦。押し気味に試合を進めて相手のオウンゴールで先制しながら、突如守備のバランスを崩して4分後に失点し、さらに12分後に追加点を奪われた。ACLのFCソウル戦もまさに同じような展開で、柴崎の同点弾で逆転への機運が高まったにもかかわらず、終了間際にふとした隙を突かれて涙を呑んでいる。

次ページベテランの力に頼らず、若き守備陣が主導することも不可欠。

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