「なぜ起用しないのか?」長谷部誠の“不在”に、現地記者がフランクフルト指揮官を批判「彼がいないとやっていけない」

2021年09月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

「前任者は早々にその判断を下したが…」

グラスナー監督(左)と1月には38歳を迎える長谷部。(C)Getty Images

 現地時間9月25日に開催されたブンデスリーガ第6節で、フランクフルト対ケルンが行なわれ、1-1という結果に終わった。フランクフルトの鎌田大地は途中出場、長谷部誠は出場せず。チームとしては公式戦6試合連続のドローとなり、今シーズンの公式戦でいまだ勝利できずという状態が続いている。

 試合後の記者会見で、今夏に就任したオリバー・グラスナー監督に対して、現地記者から「現在4バックで試合を進めているが、今後、状況を変えるために、例えばハセベを中心とした3バックに切り替えるのか、それとも現状を継続すべきと考えているのか?」という質問が飛んだ。現地局『Sport1』が伝えている。

 これに対して、グラスナー監督は「考えるべきことはひとつではないが」と前置きしたうえで、「悪いのはシステムではなくもっと基本的な部分。パスミスやボール離れが悪かったりとプレーに起因している」と述べたという。

 そして、「誰かを入れることでプレーに落ち着きが与えられるかもしれない」と長谷部起用の可能性に言及したものの、「ケルンの屈強なフィジカルを誇る前線を相手に、マコトがそ適しているのかどうかは疑問だった」とフィジカル面での条件を理由に投入しなかったことを明かしたという。

 だが、この采配を明確に批判しているのが、同局のクリストファー・ミシェル記者だ。「グラスナー監督はいつまでハセベを欠くのか?」と疑問を呈している。

「今監督を除けば、ハセベを先発起用しなかった最後の監督は、前任のアディ・ヒュッターだ。このオーストリア人監督は、わずか数試合後にこの決定を修正した。このように、守備のスペシャリストを取り入れることが、ここ数年のフランクフルトの成功の秘訣だった。しかし、彼はここまで約135分しかプレーしていない。4バックに変更してからは、このベテラン選手の出番はなくなってしまった」

 そして、チームに長谷部を欠いていることの問題について、このように評した。

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「同様に、試合のフィールド上でも、若くて経験の浅い選手たちを統合する軸が必要だ。キャプテンのセバスティアン・ローデが負傷し、マルティン・ヒンターエッガ―は自身のトップフォームを求めることで精いっぱい。ジブリル・ソウはまだその役割に成長しきれていない。だからこそ、彼のメンタリティが重要になるのだ」

 加えて、「フランクフルトの構造は揺らいでいる」と指摘した。

「ケルン戦でのパス成功率は64%だった。これを見てもわかるが、選手たちに必要なのは最高のクオリティを持つサポートだ。長谷部は間違いなくその能力を備えている。パスに強く、俯瞰力に優れ、同僚を導く(時には叱りもする)。

 現実的に、3バックから4バックへの変換は長谷部を追い込むだけではなく、チームの最高のパフォーマンスを引き出すという意味でも失敗している。序盤に2敗した後、6試合でドローが続いているのは、システム変更を行なったからだ。フレームワークはなく、得点のチャンスは少なく、ゲームのアイデアはほとんど認識できない」

 そして最後に「長谷部がいないと、いまだにやっていけないのは、名誉なことではないだろう」とも綴っている。

「だが、このチームはこの優れたサッカー選手の特別なオーラなしではやっていけないのだ。長谷部の恩恵を受けるのは、グラスナーの言う若い選手だけでは決してない。エバン・エヌディカやヒンターエッガ―さえも、彼がいることでプレーに集中できる。新戦力も迷うことなくプレーができる。いずれにしても、控えめすぎるスタートを切った今、ひとつ確かなことは、長谷部なしではうまくいかないということだ」

 フランクフルトは9月30日にヨーロッパリーグ第2節アントワープ戦、10月3日にはバイエルン戦を控えている。果たして、ベテラン選手に出番は与えられるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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