識者が選ぶ「歴代」&「現役」助っ人ストライカーBEST5|ユンカーは、久しぶりに欧州から“本物”が来た、という印象だ

2021年09月28日 浅田真樹

鹿島のリーグ3連覇に大きく貢献

歴代1位は迷うことなくマルキーニョス。ストライカーの枠にとどまらず、J史上最強助っ人だ。(C)SOCCER DIGEST

 浦和レッズのキャスパー・ユンカー、名古屋グランパスのシュヴィルツォク、横浜F・マリノスのレオ・セアラら今季新加入組のほか、川崎フロンターレのレアンドロ・ダミアンやFC東京のディエゴ・オリヴェイラなど、歴戦の点取り屋たちも相変わらず頼もしい働きを披露している。

 Jリーグの歴史において、数多くの助っ人が印象的な活躍を見せてきたが、ストライカーと呼ばれる選手たちのそれは、ひと際眩い輝きを放ち、チームの命運を左右する存在でもあった。「歴代」と「現役」それぞれの"助っ人ストライカーBEST5"を選ぶとすれば、どんな顔ぶれになるか。国内外、カテゴリーを問わず精力的な取材を続ける浅田真樹氏に訊いた。

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★「歴代」助っ人ストライカーBEST5
1位 マルキーニョス(鹿島ほか)
2位 エムボマ(G大阪ほか)
3位 ワシントン(浦和ほか)
4位 エメルソン(浦和ほか)
5位 アラウージョ(G大阪ほか)

 歴代1位は迷うことなく、マルキーニョス。史上最も多くのゴールを決めた助っ人であることはもちろん、複数のクラブでプレーしながらほぼ漏れなく活躍し、しかも鹿島や横浜ではタイトルをもたらしている。とりわけ鹿島の3連覇においては、彼の働きなしに偉業達成はなかっただろう。ストライカーの枠にとどまらず、J史上最強助っ人だと思っている。

 一方、記録より記憶に残るのはエムボマだ。彼が残した強烈なインパクトは歴代最高と言っていい。ゴール数もさることながら、スーパーゴールで度肝を抜いた。エムボマ来日当時はJリーグ人気が下火になっていたこともあり、現役バリバリのワールドクラスがやってきたことは衝撃的な出来事だった。
 
 ワシントンは、Jリーグ勢としてACL初制覇を成し遂げた浦和での活躍が印象深い。アジアでなかなか勝てなかったJクラブに"決め手"をもたらす頼もしい存在だった。ここぞの勝負どころで欲しいゴールを確実に決め、勝利を手繰り寄せてくれた。ACLで勝つにはチーム力ももちろんだが、こうした個人能力が必要なのだと実感させられた。

 エメルソンとアラウージョは、とにかくおもしろいようにゴールを量産していた印象が強い。特にエメルソンは、一度走り出したら止めようがないほどのスピードがあり、ほかの"速さ自慢"の助っ人がいたなかでも群を抜いていた。
 

次ページ来日間もなく、当然実績には乏しいが…

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