【2015インターハイ】代表校レポート|全国屈指の選手層と例年にない団結力で流経大柏が日本一を目指す

2015年06月25日 平野貴也

独特なキャラクターを持つ主将がチームをまとめる原動力に。

流経大柏/所在地:千葉県柏市十余二1-20 創立:1985年 創部:1985年 総体最高成績:優勝(2008年) 主なOB:林彰洋(鳥栖)、大前元紀(清水)、田口泰士、青木亮太(ともに名古屋)、小泉慶(新潟)など

 頼りになる主将がいる世代の流経大柏は、勝負強い。例年、圧倒的な戦力層は全国屈指だが、個性が強いだけにまとまりを欠いて調子の波が激しい世代もある。主将が二度も変わった昨年は終盤にどうにかまとまったが、独特なチームカラーが典型的に表われた世代だった。

2015インターハイ|出場校一覧
 
 しかし、今季は雰囲気がまったく違う。1年生の頃から独特のキャラクターで異彩を放っていた菅原俊平が主将となり、調子の悪い試合でもチームのエネルギーが落ちることがない。
 
 インターハイ予選では、菅原の提案でAチームも応援練習に加わった。通常レギュラークラスの選手たちは、そうした活動は無縁なものだが、その背景について菅原はこんな話をしている。
「全国大会の前にメンバー変更があるから、Aチームに入れなかった人も割り切って一緒に戦って、(本大会で)勝ってもう一度競争しようとミーティングで話して、全員で応援練習をやった。今、国士舘大サッカー部主将の中村俊貴さんたちOBが教育実習で学校に来ているので『どうやったらチームをまとめられますか』と相談したら、『ミーティングでよく話し合うことが大事』と言われたので、それを活かしました」
 歳の離れた先輩を巻き込み、力の結集を図ったことを菅原は明かしている。
 
 全国大会の切符がかかったインターハイ千葉県予選の準決勝は、習志野との対戦となった。昨年も同じ準決勝で対戦し、煮え湯を飲まされた相手だ。
 
 互いにリスクを避けて後半勝負となる拮抗した展開だったが、昨年とは異なり2-0できっちりと勝ち切った。習志野には千葉県1部リーグでBチームが対戦し、この時も2-0で勝利を収めている。それだけに油断が生じる可能性もあった。
 
 しかし、DF本村武揚は前年との違いをこう語っている。
「昨年も同じような展開だったけど、チーム全体に『最後は勝てるだろう』と思い込んでしまっている部分があった。今回は1週間前の練習から雰囲気を変えて、チャレンジャー精神で臨んだ」
 
 主将が声を出し続けて作り出すチームの前向きな性格が、際どい勝負で活きてくるのが今季の強みだ。

次ページ熾烈な競争によって全国大会の布陣はまったく読めない。

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