思うに任せないミランの補強 ガッリアーニ副会長とドイエンの協力体制が早くも崩壊

2015年06月25日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

今後はガッリアーニ副会長が単独で移籍交渉に。

当初は心強い味方と思われた『ドイエンスポーツ』との協力体制を見直すことになったミラン。J・マルティネス(左)の獲得は最終段階で難航し、コンドグビアはインテルにさらわれたことが要因だ。 (C) Getty Images

 今夏のメルカート(移籍マーケット)が動き出して以来、行動を共にしてきたミランのアドリアーノ・ガッリアーニ副会長と投資ファンド『ドイエンスポーツ』のネリオ・ルーカス代表の協力体制に早くもひびが入っている。
 
 ドイエンスポーツはミランの発行済株式48パーセントを買収することになったタイの実業家ビー・タエチャウボル率いる投資グループに出資者兼アドバイザーとして食い込んでおり、それ以前からガッリアーニとは親密な関係にあったこともあり、手を組んでメルカートに臨むことになった。
 
 しかしジャクソン・マルティネスの獲得交渉は最終段階で難航し、ジョフレー・コンドグビアはインテルにさらわれるという失態もあって、今後はガッリアーニ副会長が単独で移籍交渉にあたることになった模様だ。
 
 いずれにしても、ミランのターゲットはレギュラークラスのセンターフォワードとインサイドハーフ。前者の「夢」はズラタン・イブラヒモビッチあるいはエディンソン・カバーニ。だが、いずれもパリSGが手放す可能性は低い。
 
 現実的なターゲットは、コロンビア代表カルロス・バッカ(セビージャ)か。ただしバッカにはローマも食指を伸ばしており、すでにエージェントのイバン・コルドバと話し合いを持っている。契約上の違約金は3000万ユーロ(約42億円)だが、セビージャは2500万ユーロ(約35億円)前後のオファーなら受け入れる姿勢を見せているようだ。
 
 一方、中盤に関してはイタリア代表アンドレア・ベルトラッチ(6月24日にローマがジェノアから共同保有権を買い戻した)、そしてベルギー代表アクセル・ヴィツェル(ゼニト)がターゲット。こちらもヴィツェルの代理人と交渉が始まっている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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