完敗の浦和戦で見えた新生セレッソの課題…選手と監督が語った「今一番大事」なこと

2021年09月19日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「私が監督になってから3週間…」(小菊監督)

ボランチで先発した奥埜。試合後に課題を口にした。(C)SOCCER DIGEST

[J1第29節]浦和2-0C大阪/9月18日/埼玉

 J1第29節の浦和レッズ戦は、ビルドアップの質、ゲーム運び、崩しのアイデア、守備の強度、いずれも相手に上回られ、必然の敗戦だった。

 2日前に浦項とのACLラウンド16を戦ったばかりとあって、疲労が蓄積されていたというエクスキューズはある。ただし、戦術的な視点で見ても、やはり大きな差を痛感させられた試合だっただろう。

 今季スペイン人のリカルド・ロドリゲス監督を迎えて、本格的なポジショナルサッカーを落とし込んできた浦和が着々と積み上げられているのに対し、C大阪は8月26日に前任のレヴィー・クルピ監督に代わって小菊昭雄監督が就任して、新体制となったばかり。それも国内リーグ戦、ルヴァンカップ、ACLと連戦が続いていたなか、どうしても休養が優先されがちで、戦術を落とし込む時間が十分に取れていない。その差が如実に現れていた。

 例えばハイプレスを受けた際の対応だ。浦和は相手の前線からのプレスを巧みにかわして、前がかりになったC大阪の隙を突いて得点を重ねた。一方でC大阪は、プレスをかけると焦り、ボールの逃がしどころが見つけられない場面がよく見られた。

 GKキム・ジンヒョンのパスも不安定だった。単純なキックミスもあったが、味方の動きが少なかった影響も少なからずあるだろう。
 
 ボランチで先発した奥埜博亮は言う。

「チームとして、後ろからビルドアップして相手のゴール前まで運んでいく練習をやっています。そこまで運べる場面が今は少なく、その過程の中で、今は相手の圧力を受けてしまっています。ただ、そこを一つ?がせればチャンスになる。後ろから相手を剥がすことが今は一番大事かなと思います。

 また剥がした後も、最後はコンビネーションや選手それぞれの特長を出しながら、最後のゴールを取る部分は個々の力にも関わってくるので、個でしっかり決めることも大事になると思います」

 また小菊監督も、浦和戦後、戦術のさらなる浸透の必要性を語っている。

「私が監督になってから、ビルドアップのところは、立ち位置を含めて選手たちには常に要求しているところです。私が監督になってから3週間、新たなチャレンジに向けて、選手たちは一生懸命取り組んでくれています。

 立ち位置やパスの質、サポートの部分は、一つひとつ時間をかけて成熟させていかないといけないと思っています。中2日や中3日で試合が続いていますが、落とし込むところは毎日を大切に、ミーティングなども含めてやっていきたいと思います」

 10月6日と(第1戦)10日(第2戦)にはルヴァンカップの準決勝で浦和と再戦する。一朝一夕で身につけるのは当然困難だが、それまでに改善させたいところだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
 
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