【女子ワールドカップ】4年前の悔しさを胸に岩渕真奈はカナダの地で輝けるか

2015年06月22日 馬見新拓郎

エクアドル戦で見せた可能性。

練習中に笑顔を見せる岩渕。コンディションは上がってきている。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 グループリーグを3連勝で勝ち進んだなでしこジャパンは、決勝トーナメント1回戦でオランダと対戦する(日本時間6月24日の11時~)。いよいよノックアウト方式の戦いとなるが、ここまで本調子とは言えないチーム状況なだけに不安は尽きない。
 
 グループリーグ第3戦のエクアドル戦も煮え切らない試合内容だった。開始5分、FW大儀見優季の得点で先制し、一気に押し込むかに思われたが、格下相手に追加点を決められず、1-0のまま終盤を迎えた。

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 その悪い流れを変えたのが、80分に投入されたFW岩渕真奈だった。右膝には痛々しいテーピングが巻かれているが、岩渕は周囲の不安をよそにエクアドルゴールへ果敢に向かった。
 
 85分には大儀見とのワンツーからシュート。これはエクアドルのGKベルスに左手一本でファインセーブされるが、ロスタイムには大儀見、DF鮫島彩と絡んで大きなチャンスを演出した。
 
 岩渕が投入されて以降、日本の攻撃は活発になり、これまでにない動きが生まれた。それはこの試合での数少ない収穫で、オランダ戦への光明となった。
 
 岩渕と2トップを組んだ大儀見は「岩渕は動き出しが速い。次はどこに入っていくか分かるので、早い判断で攻撃することができる。(岩渕の)ドリブルを絡めた崩し方は、今大会はなかったと思う」と手応えを示す。
 
 そして岩渕も「少しの時間だったから、やることが明確だった。その時間でチームが活性したと思われているなら、それは嬉しい。私もやれるんだという確認ができた」と、その表情は晴れやかだった。

次ページいよいよ覚醒の時となるか。

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