【C大阪】「真摯なビッグネーム」フォルランがC大阪に残したもの

2015年06月22日 前田敏勝

真っ先に感謝の言葉を口にする。

徳島戦後、フォルランはサポーターたちへ感謝の言葉を伝えた。写真:佐藤 明(サッカー ダイジェスト写真部)

 7月31日までの契約をクラブとの合意の上で早め、6月22日付けで契約満了となったフォルランの退団セレモニーが21日、J2・19節の徳島戦後に行なわれた。

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フォルランのキャリアを振り返る|代表編

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 C大阪の一員としての最後の試合は、家庭の事情で一時離日後、18日に戻ってきた影響や、今後を見据えたチーム事情もあってか、19日の段階でパウロ・アウトゥオリ監督が「ディエゴのベンチ入りはない」と断言。メンバーに入らず、スタンドからチームメイトの勇姿を見守った。
 
 昨年2月12日に関西国際空港へ降り立ち、その後にヤンマースタジアム長居で加入会見を行なった時から、約1年4か月。まさかのJ2降格など、数々の苦境に立たされ「サッカーに関しては良い状況ではなかった」(フォルラン)点は否めない。
 
 今季も、チームがJ1昇格を目指すなか、クラブの財政状況が影響したとはいえ、志半ばでC大阪を去ることになった。それでも、「いろんな人に出会えてとても幸せで、今はありがとうという気持ち」と、真っ先にクラブ関係者はじめ、日本で関わった人たち、サポーターに感謝の言葉を残した。
 
 先週のトレーニングでは、慣れ親しんだ舞洲グラウンドで、ピッチの感触を踏みしめるように、黙々と走り込んでいた。その姿は、加入当初から見せていた、ストイックなアスリートそのものであり、最後まで自らのスタイルを貫き通した。
 
「今までの自分の経験をみんなに伝えられたこと、自分のトレーニングの姿をみんなに見てもらったことで、なにか伝えられたのかなと思う」と、彼の残したものは、決して小さくなかったはずだ。

次ページフォルランが残したものは決して小さくない。

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